バセドウ病の心房細動は外国に比べて日本では頻度が低いようです。

アメリカ人はバセドウ病の9~22%に心房細動がみられますが、日本人の場合はずっと少なく2%程度です。
バセドウ病の治療をして甲状腺ホルモンが正常になったら心房細動のある10人中7人ではこの不整脈はなくなります。しかし、残りの3人では不整脈が続きます。不整脈が続いた場合、心臓の中に血栓(血の塊)ができやすくなり、それが飛んで体の動脈に詰まることがあります。

一番怖いのは脳の血管に詰まることです(これを脳塞栓といい一種の脳卒中です)。
アンケート調査で心房細動がずっと続いている人の10人に1人が脳塞栓を起こしていることが分かりました。普通の人の約10倍の危険率です。

バセドウ病の心房細動は10年以内ならよく治ることが分かってきました。

心房細動になって10年経っていないなら、クスリか電気的除細動(DCカウンター:一種の電気ショックでアメリカのブッシュ元大統領もこの治療を受けることになっていました)で治ることが多いので、積極的に治療を受けることを勧めます。

心房細動の治療

最終的には32名中16名で心房細動が再発しました。