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バセドウ病に対する外来アイソトープ治療:短期治療成績2002年版
田尻淳一 田尻クリニック 熊本

今までに『バセドウ病に対する外来アイソトープ治療:短期治療成績2000年版』『バセドウ病に対する外来アイソトープ治療:短期治療成績2001年版』を公開しました。今回、『バセドウ病に対する外来アイソトープ治療:短期治療成績2002年版』をまとめましたので、公開します。今後、毎年、アイソトープ治療成績を公開していきたいと思います。

対 象
1999年7月16日から2002年4月23日までに当院にて外来でアイソトープ治療を受けたバセドウ病患者511人を対象としました。2003年4月末までの治療成績を検討しました。観察期間は12〜45ヶ月間です。このうち、65人は経過を追うことができず、8人は他医へ紹介しました。残り438人について検討しました。内訳は男100人、女338人です。年令は14才から82才まで、平均44.6才(44.6±15.4才)でした。年令分布は【図1】に示します。

方 法
治療日の選択
当院が休診以外の日で、患者さんが都合の良い日に治療しています。アイソトープの余裕があれば、当日できることもありますが、基本的には予約制です。治療は3.5〜4時間で終わります。途中、約3時間の待ち時間(アイソトープカプセルを服用して摂取率を測定するまでの時間)がありますので、外出されても結構です。
治療前の注意
  1. 1週間前からヨード制限:
    具体的には以下の食品を控えてもらいます。海草類(昆布、ひじき、ワカメ、のり、寒天など)、ヨード卵、昆布出しの入った調味料。
  2. 抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)の中止:
    治療4日前から中止してもらいます。
  3. ヨード剤の中止(使用している場合):
    治療7日前から中止してもらいます。
  4. ベータ遮断剤
    症例によって、抗甲状腺剤、ヨード剤を中止した時から開始します。甲状腺機能が落ち着くまで服用してもらいます。
治療当日
治療のカプセル(上段左から1mCi、3mCi、5mCiです。外来で使用するのはこの3種類だけです)を飲む前に甲状腺にどれくらいアイソトープが取り込むかをみる検査(摂取率試験)をします。このとき、治療日が金、土なら検査用アイソトープは131Iカプセル(右下の水色のカプセルが検査用です)、月、火、木なら123Iカプセル(カプセルの色はオレンジ色です)を飲みます<注釈:123Iカプセルは月、火、木が検定日です。半減期が短いため(13時間)、基本的にはその日だけしか使用しません>。3時間後に検査用アイソトープの摂取率を測定します。この摂取率と甲状腺重量からアイソトープの投与量を計算します。計算式は次の如くです。
アイソトープ投与量(mCi) =
甲状腺重量(g) × 80μCi / 131I摂取率(%) × 10
<注釈:通常、131I摂取率(%)は24 時間値を用いますが、何故3時間値で良いかはあとで述べます>

治療は、大変簡単です。治療用のカプセルを服用するだけです。
治療後の注意
  1. 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)ヨード制限
  2. 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)抗甲状腺剤中止
  3. 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)ヨード剤中止(使用している場合)
治療後48時間の注意
  1. 毎日少なくとも4杯の水か他の水分を摂りましょう。服用したアイソトープのほとんどは、48時間以内に尿中へ出るからです。
  2. 風呂は、最後にお入りください。お湯を抜いた後は、シャワーで浴槽をよく洗ってください。ただし、シャワーだけの場合は最初に入っても結構です。汗に少量のアイソトープが出るからです。
  3. 可能なら、一人で寝てください。キスやセックスはさけてください。唾液や体液に少量のアイソトープが出るからです。
  4. 赤ちゃんがいるのなら、世話をするのは1日2時間以内にしてください。甲状腺に取り込まれた放射性ヨードから放射線が出るからです。特に、あなたの首には近づけないでください。
  5. 女性の場合、6ヶ月間は避妊をしてください。放射性ヨードは1ヶ月もすると甲状腺からさえも出ていきます。しかし、絶対に安全である6ヶ月間としています。
[最後にひとこと!!] いろいろ注意事項を書きましたが、カプセルを飲んで、本人がどうもないのに他人がどうにかなると思いますか?これが結論です。ご安心ください。

治療前後で数日間、抗甲状腺剤やヨード剤を中止しますので、甲状腺ホルモンが高くなって体調が悪くなることもあります。そのようなときにはベータ遮断剤などで治療すれば、良くなりますから心配ありません。そのうち、抗甲状腺剤やヨード剤を再開すれば、甲状腺ホルモンが落ち着いてきて気分も良くなります。変わったことがあれば、主治医の先生に電話で質問されるといいと思います。
アイソトープ治療後の治療および追加アイソトープ治療の決定について
アイソトープ治療後の診察は、1ヶ月後、3ヶ月後、5ヶ月後です。甲状腺機能が落ち着くまでは抗甲状腺剤もしくはヨウ化カリウムを服用してもらいます。通常、アイソトープ治療5ヶ月後に受診した際、2回目のアイソトープ治療を行うかどうかを決めます。もし、甲状腺の大きさが縮小してきていたら3ヶ月待ちます。アイソトープ治療5ヶ月後に、3ヶ月後と比べて甲状腺の大きさに変化がなく、クスリを中止できなければ、アイソトープ治療6ヶ月後以降に2回目のアイソトープ治療を行います。その後の追加アイソトープ治療を行う場合も、同じやり方で決めます。
甲状腺機能の定義
Drop-out(来院しなくなった患者):一年以上来院なし、もしくはアイソトープ治療6ヶ月以内で来院なしの患者と定義した。
甲状腺機能低下症になるまでの期間は、最後のアイソトープ治療からの期間(月)とした。

結 果
アイソトープ治療前の甲状腺重量は32.0±23.3g(3.8〜189.5g)で、分布図は【図2】に示します。放射性ヨード摂取率3時間値は41.0±19.9%(6.1〜84.7%)で、分布図は【図3】に示します。初回投与量は6.7±3.3mCi(1.2〜18.4mCi)で、分布図は【図4】に示します。

治療が1回のみでよかった例は278例(63.5%)、治療を2回要した例は134例(30.6%)、3回要した例は21例(4.8%)、4回要した例は4例(1.0%)、6回要した例は1人であった。治療が2回以上要した例の総投与量は、治療を2回要した例13.1±5.9mCi(2.4〜31.0mCi)、3回要した例26.6±9.5mCi(9.1〜48.4mCi)、4回要した例52mCi、39mCi、49.4mCiで残り一例は一回目を他院で行っているため総投与量は不明、6回要した例81.3mCiであった。

初回治療から2回目治療までの期間は8.1±4.5ヶ月(2〜27ヶ月)、2回目治療から3回目治療までの期間は8.0±3.2ヶ月(4〜19ヶ月)、3回目治療から4回目治療までの期間は3ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、4回目治療から5回目治療までの期間は3ヶ月、5回目治療から6回目治療までの期間は6ヶ月であった。この各治療期間の検討には、以前にアイソトープ治療を他院(野口病院13例、熊大放射線科3例)で受けている16例は除外した。

アイソトープ治療を選択した理由は以下の如くである(重複あり):抗甲状腺剤中止後再発136例、術後再発43例、抗甲状腺剤を中止不能39例、早く治りたい81例、2つの抗甲状腺剤で副作用あり29例、重大な副作用あり(無顆粒球症、顆粒球減少症、肝障害など)35例、甲状腺腫が大きい19例、アイソトープ治療後再発6例、副作用があり(じんま疹、軽度肝障害など)78例【内訳:47例は肝障害がみられたため、もう一方の抗甲状腺剤を使用しなかった。残り31例は、もう一方の抗甲状腺剤を使用することを拒否した】、一つの抗甲状腺剤にて副作用がありクスリに対して不安あり4例、他疾患あり3例(糖尿病1例、慢性肝炎2例)。

アイソトープ治療の前治療は、メルカゾール248例、PTU(チウラジールまたはプロパジール)43例、ヨウ化カリウム(KI)130例、昆布3例、前治療なし11例であった。

メルカゾール前治療例の年令、治療前の甲状腺重量はそれぞれ46.0±15.4才(15〜80才)、35.2±25.2g(4.6〜189.5g)であった。PTU前治療例の年令、甲状腺重量はそれぞれ39.3±14.3才(15〜72才)、31.3±22.5g(8.2〜123.3g)であった。ヨウ化カリウム(KI)前治療例の年令、甲状腺重量はそれぞれ43.6±15.3才(14〜82才)、27.9±18.3g(4.2〜105.6g)であった。メルカゾール、PTU、ヨウ化カリウム(KI)にて年令には差はみられなかった。メルカゾール前治療例の甲状腺重量が、ヨウ化カリウム(KI; ヨード剤)前治療例の甲状腺重量に比べて有意に大きかった(Welch's t-test, p<0.01)。しかし、PTU前治療例の甲状腺重量とヨウ化カリウム(KI)前治療例の甲状腺重量の間およびメルカゾール前治療例の甲状腺重量とPTU前治療例の甲状腺重量の間には差がみられなかった。

メルカゾール前治療例248例中、アイソトープ治療1回で治った人は143例(57.7%)、アイソトープ治療2回以上要した人105例であった。PTU前治療例43例中、アイソトープ治療1回で治った人は30例(69.8%)、アイソトープ治療2回以上要した人13例であった。ヨウ化カリウム(KI)前治療例130例中、アイソトープ治療1回で治った人は92例(70.8%)、アイソトープ治療2回以上要した人38例であった。ヨウ化カリウム(KI)前治療例がメルカゾール前治療例に比べて有意に1回のアイソトープ治療で治った(p<0.01, Fisher exact probability)。ヨウ化カリウム(KI)前治療例とPTU前治療例、メルカゾール前治療例とPTU前治療例の間で治療効果に差はみられなかった。PTUは症例数が少ないため、有意差が出なかったが、メルカゾールに比べて1回のアイソトープ治療で治りやすい傾向がみられた。

治療後12 〜45ヶ月経って、甲状腺機能亢進症7例(1.6%)、潜在性甲状腺機能亢進症78例(17.8%)、甲状腺機能正常157例(35.8%)、潜在性甲状腺機能低下症67例(15.3%)、甲状腺機能低下症129例(29.4%)である【図5】
<注釈:“甲状腺機能亢進症”は、まだ抗甲状腺剤もしくはヨウ化カリウム(KI)を服用中です。“潜在性甲状腺機能亢進症”とは、甲状腺ホルモン値は正常でTSHのみが抑制されたもので、治療の必要はありません。“潜在性甲状腺機能低下症”とは、甲状腺ホルモン剤を飲むほどでない軽いものです。“甲状腺機能低下症”は、全員甲状腺ホルモン剤を服用しています>

アイソトープ治療を受けて甲状腺機能低下症になるまでの期間は、9.7±7.3ヶ月(1〜35ヶ月)であった<アイソトープ治療を2回以上受けている場合は、最後のアイソトープ治療からの期間である>。

今回の結果に対する検討
今回の検討でも、前回の外来バセドウ病アイソトープ治療の検討と同じく、治療成績は良好でした。アイソトープ治療後12〜45ヶ月経って、約98%の人は抗甲状腺薬やヨウ化カリウムを中止できています。甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン剤を服用している人は、129例(29.4%)です。前回の検討では、アイソトープ治療後12〜33ヶ月経って、甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン剤を服用している人は76例(22.8%)でした。甲状腺機能低下症の頻度は少し増加傾向にあります。これは、致し方のないことです。甲状腺機能低下症は、アイソトープ治療の宿命であるからです。私自身の治療成績でも他施設の治療成績をみても、アイソトープ治療後10年経つと、50〜60%が甲状腺機能低下症になります。

今回の検討でも目立つのは、ヨウ化カリウムで前治療した症例の比率が抗甲状腺剤に比べて増えてきていることです。前回と比べて、メルカゾール前治療は203例→248例(122%)に、PTU前治療は35例→43例(123%)に増加した。ヨウ化カリウム前治療は80例→130例(163%)とメルカゾールやPTUと比べると割合が増えています。これは、抗甲状腺薬中止後に再発した症例をアイソトープ治療する場合、抗甲状腺薬の副作用を避けるためにヨウ化カリウム前治療を行う症例が増えているのが原因です。私見ですが、現時点においてバセドウ病の治療で一番安全な方法は、ヨウ化カリウムで前治療を行い、アイソトープ治療をすることだと思います。アイソトープ治療後も甲状腺機能が落ち着くまでは、ヨウ化カリウムを投与します。もし、甲状腺機能低下症になっても、これまた安全な甲状腺ホルモン剤で治療です。

前回の検討でも述べましたが、前治療の一番多いメルカゾール症例の甲状腺重量と比べるとヨウ化カリウムで前治療した症例の甲状腺重量は有意に小さいことが、今回の検討でも確認されました。治療成績が良好な原因はここにあるのかもしれません。甲状腺腫が小さいほどアイソトープ治療は効きやすいからです。

前々回、前回の研究のときにアイソトープ治療を1mCiずつ投与して欲しいという33才女性の話をしました。この女性の経過を簡単に説明しますと、最初、メルカゾール22ヶ月間服用。メルカゾール中止3ヶ月後に再発。10ヶ月服用後に再度、メルカゾール中止。中止後3ヶ月目に再発。このときは131I摂取率試験で15.8%(1.5時間)と高値でした[FT3; 10.89pg/ml, FT4; 4.26ng/dl, TSH; 0.01mU/L, TRAb(TSHレセプター抗体); 36.6%]。メルカゾール6錠/日を再投与し、アイソトープ治療を行うことになりましたが、彼女の希望で1mCiずつ投与するやり方でいくことにしました。甲状腺機能低下症になりたくないので時間がかかってもいいから1mCiずつで治療して欲しいと、彼女は希望されました。治療日が平成14年5月16日(木曜日)であったため、翌週の月曜日検定で1mCiのカプセルを飲んでもらいました。実際の投与量は、1.4mCiです<注釈:131I(ヨード131)の半減期は約8日です>。甲状腺重量は25.6mlで、131I摂取率は51.8%(3時間)、照射量は2,125radでした。計算投与量は4mCiでしたので、あと2回以上は治療が必要であると考えていました(毎回1mCi投与するやり方なので)。治療後はメルカゾール3錠/日に減量し、1ヶ月後に診察に来たときには甲状腺重量は、15.2mlと縮小しており、FT4; 0.75ng/dl, TSH; 1.85mU/Lと改善していたのでメルカゾール1錠/日に減量しました。治療後7ヶ月目の平成14年12月9日に診察に来たときには、甲状腺重量は9.3mlと正常の大きさに縮小していました。アイソトープ治療11ヶ月後(平成15年4月26日)の甲状腺機能は正常で(FT4; 1.43 ng/dl, TSH; 2.87mU/L, TRAb; 21.7%)、甲状腺重量は9.8mlでした。わたしの本心を言いますと、こんな少量の投与量では全く効果はないと思っていました。患者さんに危害を及ぼすとか常軌を逸した治療でなければ、患者さんの納得のいく治療をするのが医師の務めと考えていますので、疑心暗鬼でしたが治療を行いました。結果は、予想外のものでした。甲状腺腫の縮小や経過から考えて、アイソトープ治療が効いたことは事実です。臨床の摩訶不思議なところです。個人差と言ってしまえば、それまでですが、何故、こんな少量のアイソトープで効いたのかが非常に興味があります。最近も、メルカゾールで肝障害を起こしたバセドウ病患者(女性、57才)で、甲状腺機能低下症だけにはなりたくないと、1mCiずつ投与するアイソトープ治療を行って欲しいとの申し出がありました。当然のことながら、わたしが勧めたのではありません。昨今、もてはやされているEBM(Evidence Based Medicine; 証拠に基づいた医療)による治療法ではありませんから。しかし、医学というものはたった一人の患者さんから得られた情報が、普遍的な常識になることはあります。話が、また脱線してしまいました。話を戻しましょう。この患者さんは、このサイトを読んだのかどうかは分かりませんが、最近の患者さんは自分の意見をはっきり言われる方が増えてきています。多分、情報が豊富で自分で勉強されているのだと思います。これは、良い傾向だと思います。患者さんが、治療方針を決める際に、ご自分の希望をはっきり表明されることは当然の権利だと思います。そのためには、医師側も正確な情報を提供する必要があります。次回の研究で、その後の経過を報告できると思います。今までにアイソトープ少量投与の検討はされていますが、このような超少量の投与での検討はなされていません。以前もお話ししましたが、内分泌学会会場で九大の岡村先生と立ち話をしていた際に、岡村先生が「バセドウ病のアイソトープ治療は摂取率などという面倒なことをしないで1mCiずつ定期的に投与すればいいのではないか」と仰っていたことを思い出します。時間がかかってもいいので、このようなアイソトープ少量頻回投与法をやって欲しいという患者さんがいれば、これからもやっていきたいと思います。

更に詳しい情報[050]でもお話ししましたが、アイソトープ治療を一日で、それも3〜4時間で終わるにはどうしたらよいか工夫しました。最初のころは、Verulakonnda USら(Clinical Nuclear Medicine 21; 102-105: 1996)の方法で、131I摂取率3時間値から24時間値を計算してアイソトープ投与量を決めていました。131I摂取率は、その換算式で解決するのですが、問題は甲状腺重量です。甲状腺重量は超音波で測定しています。本来は、甲状腺重量は甲状腺シンチグラムから算出します。しかし、甲状腺シンチは時間も費用もかかりますので、費用も時間もかけないでというわたしの考えには反します。野口病院時代の経験から、超音波で算出した甲状腺重量でアイソトープ投与量を算出すると、甲状腺シンチで算出した甲状腺重量で算出したアイソトープ投与量より少なく感じていました。これくらいの甲状腺の大きさならどれくらいのアイソトープを投与すればいいかは、経験を積んでいけば自然と分かるようになります。科学的ではありませんが、俗に言う「医者のさじ加減」というやつです。これは、言葉で表すのは難しい「勘」といったらいいかそのようなものです。そこで、野口病院時代に甲状腺シンチと超音波で甲状腺重量を同時に測定していた72例の甲状腺シンチと超音波での測定重量を比較しました。すると、8割の症例ではシンチで算出した重量は、超音波で算出した重量の1.5倍を示していました(p<0.0001)。先に述べたVerulakonnda USらの方法で131I摂取率3時間値から24時間値を計算すると、大体1.5倍になるのです。ここで、アイソトープ投与量の計算式を思い出してください。
アイソトープ投与量(mCi) =
甲状腺重量(g) × 80μCi / 131I摂取率(%) × 10
上記の計算式の分母の131I摂取率(%)3時間値に1.5倍を掛けると24時間値になります。分子の超音波での甲状腺重量(g)に1.5倍を掛けるとシンチでの甲状腺重量になります。ここで、分母と分子の1.5を相殺すると、131I摂取率(%)3時間値と超音波での甲状腺重量(g)で、アイソトープ投与量(mCi)を簡単に計算できるのです。現在ではこの方法でアイソトープ投与量を決めています。それでもアイソトープ治療成績には影響はありません。毎年公開しているアイソトープ治療成績をみてもそれは言えます。物ごとは、簡単な方がいいのに決まっています。ただ、3時間値のみで投与量を決めていると、high turnoverタイプのバセドウ病の場合、アイソトープ投与量の計算値が低い値に出ます。このタイプは、3時間が摂取率のピークになり、24時間後には摂取率が半分以下に下がるのです。それだけ甲状腺ホルモンが早く作られて、血液中に放出されているのです。そのときに服用した131Iも甲状腺ホルモンとして一緒に甲状腺から放出されるので、甲状腺内の131Iの量が減り、摂取率も低くなるわけです。このタイプは10〜20%のバセドウ病でみられます。ですから、131I摂取率・3時間値が高い症例は、計算投与量より多めに投与します。このあたりは、実際に治療してみて修正していくわけです。

このサイトでトピック[036]として紹介しましたが、「PTU(チウラジールまたはプロパジール)による前治療は、バセドウ病に対する放射性ヨード治療の効果を弱める。メルカゾール前治療では、そのようなことは起こらない」という研究結果について、今回も検討してみました。今回の検討でも、ヨウ化カリウム(KI)で前治療した場合についても検討しました。前回までの検討と異なっていたのは、ヨウ化カリウム(KI)前治療例がメルカゾール前治療例に比べて有意に1回のアイソトープ治療で治りました(p<0.01, Fisher exact probability)。ヨウ化カリウム(KI)前治療例とPTU前治療例、メルカゾール前治療例とPTU前治療例の間で治療効果に差はみられませんでした。この結果は、今までの検討と同じです。今回もそれぞれの群で年令には差はありませんでした。しかし、メルカゾール前治療例の甲状腺重量はヨウ化カリウム(KI)前治療例の甲状腺重量に比べて有意に大きかった(Welch's t-test, p<0.01)が、PTU前治療例の甲状腺重量とヨウ化カリウム(KI)前治療例の甲状腺重量の間およびメルカゾール前治療例の甲状腺重量とPTU前治療例の甲状腺重量の間には差がみられませんでした。ヨウ化カリウム(KI)前治療例は甲状腺重量が小さい傾向にあります。また、ヨウ化カリウム(KI)前治療例というのは、抗甲状腺剤で副作用がでて、確実に治す必要がある症例が多く、アイソトープも多目に投与することが多くなります。甲状腺腫が小さい例に多目のアイソトープを投与すれば、治療成績が良くなるのは当たり前のように思います。さらに、PTUの症例数が少ないため有意差はありませんでしたが、PTUはメルカゾールに比べて1回のアイソトープ治療で治りやすい傾向がみられました。日本の場合、抗甲状腺薬のファーストチョイスはメルカゾールのことが多く、メルカゾールで副作用が出たときPTUに変更します。そのPTUで副作用が出れば、確実に治す必要があり、アイソトープも多目に投与することが多くなります。当然、1回で治る可能性は高くなります。このように、すでにかなりなバイアス<注釈:偏り>がかかっているわけです。加えて、わたしの検討は無作為対照試験ではありませんから、患者の甲状腺機能亢進症の程度などにバイアスがかかっている可能性があり、欧米の研究結果と比較することはできません。しかし、重要なことは、アイソトープ治療は効きすぎが問題になるので、効きが悪ければ2回目のアイソトープ治療を行えばいいわけです。少なくとも、わたしが診ている患者さんは1回で治っても甲状腺機能低下症になることを好まないと答える人が多いです。アイソトープ治療は2回になってもいいからゆっくり効くやり方で治療して欲しいと希望される人が多いのです。日本人は、欧米人に比べると急激な変化を望まない国民性があるのでしょう。中には、甲状腺機能低下症になってもいいから、早く治して欲しいという希望を言われる人もいます。本当に、いろんな人がいるなあ〜と感じます。最終的にはアイソトープ治療で治せますので、患者さんの希望通りに治療をしています。それでも、特にやりづらいと感じたことはありません。多分、患者さんが納得して治療を受けてくれているからだと勝手に思っています。

アイソトープ治療の追加をいつ行うかは重要な問題です。方法のところでも述べましたが、私の場合、通常、アイソトープ治療5ヶ月後に2回目のアイソトープ治療を行うかどうかを決めます。もし、甲状腺の大きさが縮小してきていたら3ヶ月待ちます。アイソトープ治療3ヶ月後と比べて甲状腺の大きさに変化がなく、クスリも中止できなければ、2回目のアイソトープ治療を行います。2回目のアイソトープ治療までの期間は、今回の検討では平均8.1ヶ月でした(前回:平均7.9ヶ月)。2回目治療から3回目治療までの期間は平均8.0ヶ月(前回:平均7.9ヶ月)、3回目治療から4回目治療までの期間は3ヶ月、6ヶ月、7ヶ月(前回:3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月)、4回目治療から5回目治療までの期間は3ヶ月、5回目治療から6回目治療までの期間は6ヶ月でした。前々回、前回とほとんど同じでした。これは、基本的方針が変わらないためです。なるべく早い時期に2回目の治療を決めているためだと思います。ダラダラとクスリを続けるのは、何のためにアイソトープ治療をしたのか分からなくなりますので、早い時期に追加投与をするかどかを決めています。でも、甲状腺機能低下症にはならないように常に気は遣っています。

アイソトープ治療後に甲状腺眼症が悪化することがあることは、イタリアの研究者が10年くらい前に発表しました。最近、このイタリアの研究者たちは、彼らの論文の中でアイソトープ治療後に甲状腺眼症が悪化する例は15%、メルカゾール治療後に甲状腺眼症が悪化する例は3%であったと報告しています。アイソトープ治療後の甲状腺眼症悪化については、賛否両論があります。あるアメリカの研究者のグループは、大規模な研究からそのようなことは起こらないという結論を出しています。前回の研究では、333例中7例(2.1%)でアイソトープ治療後に甲状腺眼症が発症しました。今回の研究では、438例中8例(1.8%)でアイソトープ治療後に甲状腺眼症が発症しました。頻度は、前回とほぼ同じです。2例はステロイド・パルス療法を一回行い、治りました。5例は、ステロイド・パルス療法では外眼筋の炎症が取れないために、野口病院で球後照射とステロイド・パルス療法の併用を行い、治りました。このうちの1例は、視神経症を起こし、視力が低下しましたが、治療で視力は回復しています。残り1例は、本人がステロイド使用を拒否したために経過をみていますが、悪化することもなく自然経過で改善してきています。私の場合、明らかな甲状腺眼症のある患者は、まず甲状腺眼症の治療を行って、アイソトープ治療をするようにしています。5例の患者で甲状腺眼症を治療してからアイソトープ治療を行いましたが、治療後、甲状腺眼症の悪化はみられませんでした。わたしの経験からいいますと、確かにアイソトープ治療後に甲状腺眼症が悪化する例があります。ただ、痛い目に遭うと記憶に残りやすいのです。それは印象であって、科学的根拠に基づいたものではありません。今回の検討では、438例中8例(1.8%)でアイソトープ治療後に甲状腺眼症が発症しました。ただ、これは抗甲状腺剤治療時の頻度と比べても変わりありません。よって、甲状腺眼症の悪化は、アイソトープ治療のためとは考えにくいと思います。わたしの結論は、アイソトープ治療後に甲状腺眼症が発症することはあるが、それは自然の経過で発症しているに過ぎないというものです。ただ、甲状腺眼症がある場合は、甲状腺眼症を治療した後にアイソトープ治療を行う方が安全だと思います。

アイソトープ治療後に6ヶ月間避妊さえすれば、妊娠・出産は問題ありません。ただ、問題はアイソトープ治療後に妊娠したとき、出産直前までTSHレセプター抗体が50%を越している場合、新生児バセドウ病になる可能性があることです。新生児バセドウ病とは、母親のTSHレセプター抗体が胎盤を通過して、児の甲状腺を刺激して、新生児期に一時的に甲状腺ホルモンが高くなるものです。通常、TSHレセプター抗体は1〜3ヶ月すれば、新生児の血清中から消失するので、自然に甲状腺ホルモンは正常化します。しかし、甲状腺ホルモンが高い間は、抗甲状腺薬を飲む必要があります。新生児バセドウ病の頻度は、バセドウ病妊婦の2%で起こります。頻度は、低いのですが発症の予想が可能ですので、妊娠後期には必ずTSHレセプター抗体を測定する必要があります。できれば、甲状腺刺激抗体(TSAb)も測定すると発症予測はより精度が上がります。百渓先生によると、新生児バセドウ病が予測される例は「妊娠末期のTSHレセプター抗体(TRAbまたはTBII)が50〜60%以上、あるいはTSAbが600〜800%以上、ことにこの両条件が揃っている場合」と述べられています(『甲状腺疾患診療実践マニュアル(第2版)』伊藤国彦;監修、三村孝・百渓尚子;編集、p148、文光堂、1999年)。この新生児バセドウ病の予測に使われるTSHレセプター抗体(TRAbまたはTBII)とTSAbは、今の高感度測定法ではなく、従来法です。ですから、ここのところをしっかり理解していないと、今の高感度法で測定するとかなりの症例で新生児バセドウ病の可能性が出てくるので、臨床的に混乱が生じます。少なくとも、妊娠中のバセドウ病患者でTRAbを測るときには、最近の高感度測定法ではなく、従来の方法で測定することが肝要です。そうすれば、百渓先生の新生児バセドウ病の予測が使えます。TSAbも、コマーシャルベースでは高感度測定法になりましたので、妊娠中のバセドウ病患者でTSAbを測定する場合、600%を越している場合にはヤマサに連絡して、従来法で測定してもらうといいでしょう。わたしもそのような対応をしています。最近、TRAb(TBII)も検査センターによっては高感度測定法になってきました。TRAb従来法も検査可能な検査センターは、SRLとBMLのみです(当然のことながら、この2つの検査センターは高感度TRAbも検査可能です)。もし、高感度TRAb(TBII)が50%を越えている場合は、SRLとBMLに検体を出すと良いでしょう。従来法で上記の条件を満たせば、出産前に産科医、小児科医と連絡を取りながら、治療をすれば問題はありません。高感度法で、上記の条件に当てはまらなければ、新生児バセドウ病にはなりませんから心配ありません。何はともあれ、バセドウ病妊婦の治療は甲状腺専門医が行った方が安全です。もしくは、甲状腺専門医と連絡を取りながら、治療をすることが望ましいと考えます。一般的には、TSHレセプター抗体(TRAbまたはTBII)やTSAbは、妊娠が進むにつれて低下してきます。ですから、妊娠初期や中期に高いからといって慌てることはありません。妊娠後期に低下していればいいわけです。このような理由で、新生児バセドウ病の頻度は2%と低いのだと思います。今回の症例のうち、アイソトープ治療後に14例で妊娠・出産しました。年令は、29.2±3.6才(23〜36才)で、アイソトープ治療になった理由はPTUにて肝障害4例、MMIにて肝障害1例、PTUにて顆粒球減少症2例、MMI, PTUにてじんま疹1例、RI後再発2例、抗甲状腺薬中止後再発3例(MMI 2例, PTU 1例)、術後再発1例であった【表1】。アイソトープ治療から妊娠までの期間は、14.9±6.2ヶ月(3〜26ヶ月)であった。一例のみアイソトープ治療後3ヶ月で妊娠したが、妊娠・出産に問題はなかった。この一例以外は、アイソトープ治療後9ヶ月以上経ってから妊娠しています。わたしは、アイソトープ治療後6ヶ月間は避妊をするように指導していますが、アメリカの医師にはアイソトープ治療後3ヶ月間のみ避妊するだけでいいと言う人もいます。甲状腺内の131I(放射性ヨード-131)は、半減期(放射線量が半分になる時間)が約5日ですので、甲状腺に取り込まれた131I(放射性ヨード-131)は30日後には1.6%に減少しています。少しずつ甲状腺から分泌されたとしても微量です。アイソトープは尿中から排泄されます。その尿が溜まった膀胱から卵巣、子宮までは距離があり、ベータ線(放射性ヨード-131はベータ線です)は2mm以内にしか被爆しないので、理論的にはアイソトープ治療後1ヶ月でも、妊娠はOKと思われますが、それに危険率6倍を掛けて6ヶ月後としているわけです。6ヶ月後以降なら、奇形児が生まれたとしても医学的にはアイソトープ治療とは無関係であると断言ができるからです。自然分娩でも、約1%の奇形児が生まれる可能性があります。アイソトープ治療によって、この頻度が増えたという報告は、今のところ皆無です。しかし、医師も患者も、嫌な思いをしないためにもアイソトープ治療後6ヶ月間は妊娠を避ける方が望ましいと考えます。話を元に戻しましょう。アイソトープ治療後に妊娠した症例における妊娠後期のTRAb高感度(%)、TRAb従来法(%)、TSAb高感度(%)、TSAb従来法(%)はそれぞれ28.2±22.8%(0.6〜73.1%)、18.3±15.6%(0.1〜47.3%)、246±104%(98〜430%)、416%であった。妊娠前から甲状腺機能低下症でチラーヂンSを服用していたのは4例で、3例は妊娠中のみチラーヂンSを増量しました(チラーヂンS 100→125マイクログラム/日、チラーヂンS 50→100マイクログラム/日、チラーヂンS 75→100マイクログラム/日)。3例とも産後は、元の量に戻しました。もう一例は、妊娠中もチラーヂンS 100マイクログラム/日のままで甲状腺機能は正常でした。5例は、潜在性甲状腺機能低下症のため妊娠中のみチラーヂンS 50マイクログラム/日(4例)、チラーヂンS 75マイクログラム/日(1例)を投与しました。5例は、妊娠中も甲状腺機能は正常で甲状腺ホルモン剤の補充はしませんでした。10例は正常出産、1例が10週で流産、3例は近いうち出産予定です。出産予定の3例も、TRAb, TSAb値からすると新生児バセドウ病の心配はないと思います。今回の検討で、29才以下のバセドウ病女性80人に対してアイソトープ治療を行っています。現在は、高感度TRAb、高感度TSAbで経過をみています。血清を保存していますので、適当な時期が来たら全ての検体を調べて、従来法TRAb、従来法TSAb値がどれくらいすると新生児バセドウ病を起こさない安全域に低下してくるかを検討したいと思います。来年の治療成績を出す頃には、結果を出せるかもしれません<前回も同じことを言っていましたが、まだ実現していません。必ず、やるつもりです。今年11月、名古屋で行われる第46回日本甲状腺学会において、東京・伊藤病院から「妊娠可能年令のバセドウ病患者におけるアイソトープ治療後のTRAbの推移」という演題が出されています。3〜4年後でも、TRAbが50%を越えている症例が約3割みられ、これらの症例では新生児バセドウ病を起こす可能性があるため、注意深い経過観察が必要であると結論付けている>。妊娠可能年令の女性にアイソトープ治療を行う場合、アイソトープ治療後にTSHレセプター抗体が高値になるが、どれくらいすると下がってくるという一応の目安をお話しできるようにしたいと思います。幸いなことに、今まで妊娠した14例では新生児バセドウ病を起こすことはありませんでした。

甲状腺機能低下症になるまでの期間は、最終治療から9.7±7.3ヶ月(1〜35ヶ月)でした。通常、アイソトープ治療を行った場合、一番効くのは3〜5ヶ月後です。このときに一時的に甲状腺機能低下症になることがありますが、通常2〜3ヶ月で甲状腺機能は回復します。一時的に甲状腺機能低下症の状態になったら、その間だけ甲状腺ホルモン剤で補充療法を行うことがあります。甲状腺機能が回復したら、甲状腺ホルモン剤は中止します。甲状腺機能低下症になった症例は、甲状腺ホルモン剤が中止できないか、中止すると甲状腺機能低下症になります。このような症例は、甲状腺ホルモン剤をこれからずっと服用する必要があります。そのような患者さんには、事情を話し治療の必要性を説明し、納得してもらいます。バセドウ病は、治ったが治りすぎて甲状腺機能低下症になったので、甲状腺ホルモン剤を終生服用する必要があることを話します。治療前に甲状腺機能低下症については、納得してもらっていますので、甲状腺機能低下症になったことで患者さんからクレームが来たことはありませんでしたが、最近、甲状腺機能低下症になったことでクレームを言った若い女性がいました。この女性にも、将来、甲状腺機能低下症になる可能性はあることはちゃんとお話しして、納得して治療を受けてもらっていました。本人も、そのことは認めるのですが、理性では分かっていても心情的には不満があったのでしょう。なかなか難しい問題です。わたしの説明が足りなかったのかもしれません。このことがあって前にも増して、甲状腺機能低下症が嫌な人には、アイソトープ治療は勧めなくなりました。そのような患者さんには、抗甲状腺薬を続けるか、手術を勧めます。抗甲状腺薬で治っても将来、甲状腺機能低下症になる人は一部おられます。手術では、50%以上は甲状腺機能低下症になります。甲状腺機能低下症はアイソトープ治療だけの欠点ではないのですが、アイソトープ治療は甲状腺機能低下症になるという先入観があるようです。最近、患者さんには「アイソトープ治療は必ず治りますが、治った状態には2つの場合があります。一つは、甲状腺ホルモン剤を飲まないでいい状態。もう一方は、甲状腺機能低下症になって甲状腺ホルモン剤を飲まなければならない状態」と話すようにしています。いくらがんばっても、10年後には半数は、甲状腺機能低下症になって、甲状腺ホルモン剤を服用する人がでます。これは、避けられない結果なのです。欧米の甲状腺専門医はアイソトープ治療は、甲状腺機能低下症にすることが最終目的と割り切っている人が多いようです。この考え方だと、アイソトープ治療は簡単で、気楽です。でも、わたしはアイソトープ治療後の甲状腺機能低下症はできるだけ減らす努力をすべきだと思います。AACEのガイドラインを読むとアメリカでは、アイソトープ治療を受ける前にアイソトープ治療を受けて甲状腺機能低下症になっても意義申し立てはしませんという内容の誓約書を書くようです。アメリカ人患者の中にも、アイソトープ治療による甲状腺機能低下症は避けたいと考え、抗甲状腺薬で長期に治療することを希望することもあるようです。要は、治療法の最終選択は、患者さんが決めるという原則を守りさえすれば、医師−患者関係は良好に保たれるはずです。

. Dr.Tajiri's comment . .
. 毎年、アイソトープ治療の治療成績を公開することで、自分の治療のやり方を客観的にみれるので、勉強になります。軌道修正する必要があれば、すぐ直せますから。今のところ、満足のいく治療結果です。 .
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