放射性ヨード治療におけるリチウムの効果

放射性ヨード治療を行うとき、リチウムを同時に服用すると放射性ヨード治療の効果が良くなるという報告や効果はないという報告があり、一致した意見がありませんでした。

最近のメタ分析(一番信頼性が高い評価法といわれています)によると、リチウムは放射性ヨード治療の効果を向上させるという結論が出ました。リチウムは、一般的には躁病の治療に使われています。甲状腺専門医にとってリチウムは使い慣れていないクスリのせいか、この治療法はあまり行われませんでした。

今回のメタ分析では、心配されたリチウムの副作用もほとんどみられず、安全性も確認されています。リチウムは、商品名をリーマスと呼ばれ、100mg錠と200mg錠があります。放射性ヨード治療で使う場合、放射性ヨード治療の5〜7日前から7日後まで服用します。一日量は、400mg〜900mgですので常識的な量です。

放射性ヨード治療の効果を上げるためにリチウム併用療法というものもあります。知っていて損はない情報と思います。わたしも、試してみたいと考えているところです。