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[058]
AACE甲状腺認識月間:2002年
田尻淳一 田尻クリニック 熊本

02:3世代にわたる甲状腺疾患−ジュリア、ワンダ、デニーズ

1994年、健康診断の際にジュリア・スペイドは甲状腺機能低下症(甲状腺の働きが落ちて甲状腺ホルモン不足になっている病気)と診断されました。彼女の甲状腺機能低下症は非常に程度が軽いために、診断を受けたときには症状はありませんでした。治療をしないで経過をみてほしいと医師に頼みました。一年後、甲状腺機能検査を再検して、家庭医は血清TSH値が高いので、内分泌専門医の診察を受けることを勧めました。専門医の診察を受けた結果、甲状腺ホルモン剤を服用する方がいいと言われ、甲状腺ホルモン剤の服用を始めました。

特に症状も強くないのに、甲状腺ホルモン剤を一生服用しなければならないことに関してジュリアは、娘のワンダ・ロックウエルに話しました。ジュリアは彼女を診ている内分泌専門医は、「もしジュリアが甲状腺ホルモン剤を飲まないでいたら、疲労、不眠、脱毛、体重増加などの症状が強くなっていたでしょう」と話したとワンダに説明した。ワンダは母親の話を聞いているうちに、自分も甲状腺機能低下症の症状のいくつかがあることに気づきました。しかし、今まで彼女はそれらの症状は、よちよち歩きの息子ケビンの育児からくるストレスのせいにしていました。

ワンダは、直ちに主治医の診察を受け、血清TSHを調べてもらいました。検査の結果、ワンダもまた甲状腺機能低下症を持っていることが分かりました。主治医は、「甲状腺の病気は遺伝することがあり、特に母親や娘にも甲状腺の病気が出ることがある」と説明してくれました。甲状腺の病気が遺伝することを知ったので、ワンダは8歳になる娘のデニーズが甲状腺の病気を持っているのではないかと考えました。

デニーズは、それまで原因不明の体重増加がみられ、疲労感を感じていました。甲状腺の病気は思春期以前の子供には希であると聞いていましたが、ワンダはデニーズを小児科医に診てもらいました。診察の結果、デニーズは甲状腺が腫れていることが分かりました。血清TSH を調べることで、甲状腺機能低下症と診断され、すぐに甲状腺ホルモン剤の服用を開始しました。現在、デニーズは活発なティーンエイジャーで、診断されないままで放置されている甲状腺機能低下症の子供でみられるような成長障害や体重の問題もなく、元気に育っています。

6年たった現在、ジュリア、ワンダそしてデニーズは甲状腺ホルモン剤の服用量も安定し、内分泌医の診察を定期的に受けています。甲状腺機能低下症の診断を受けて以来、3人の女性は友達や家族(女性だけでなく男性にも)に甲状腺機能検査を受けるように勧めています。みんなで話し合うことで、一人でも多くの人が甲状腺の病気が見つかり、治療が受けられたら素晴らしいと思っています。彼女らは、自分たちの経験を多くの人たちに話して、もし甲状腺の病気を持っている可能性があるなら検査を受けることを勧めています。

. Dr.Tajiri's comment . .
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甲状腺機能低下症であっても気分よく、豊かな生活を送る15の方法
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