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[005]
患者さんとの橋渡し【Bridge】 Bridge; Volume 14, No4

31:子供の目から見た甲状腺疾患 / Lauren Higginson

. Dr.Tajiri's comment . .
. これは、順序が逆になりましたが、“27”の前に投稿されたものです。 .
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私は12歳で、去年甲状腺機能亢進症の診断を受けました。これはクリスマス休みのことで、年1回の健康診断に行くことになっていました。おかあさんが甲状腺スキャンを受けなくてはならないと思うといったので、とても恐かったです。それが何のことだかわからなかったからです。おかあさんは私と同じくらいの年で甲状腺機能亢進症になりました。そして私にもその症状がいくつか出ているのではないかと言ったのです。私の手はうんと震えていましたし、なかなか寝付けなくなっていました。夜中に目が覚めて何とか眠ろうと頑張っていたのです。時々私はじっと座って、何かに集中することができないことがありました。おかあさんは私の首の前の方が腫れているとも思いました。

お医者さんのところへ着いた時、小児科の先生は何も症状を見付けることができませんでしたが、おかあさんがあまりに言い張るので、結局は検査をしてくれました。血を採った後で腕が痛くなりましたが、何も症状は出ていないようだと先生が言ったので安心しました。

3日後、学校から帰されました。副校長先生が私を部屋に呼んでドアを閉めました。何だかとても心配になりました。先生の口から“病院”という言葉が出たのを聞いた時、思わず最悪のことを考えてしまいました。そんなに早く検査の結果が戻ってくるなんて思わなかったので、何か緊急のことだと思いました。

おとうさんとおかあさんが私をボストンにある子供病院に連れて行きました。そこに着いた時、社会の授業を受けられないことを思い出しましたが、本当は気にしていませんでした。だからいい気分だったのです。ちょっと待たなければなりませんでしたが、内分泌病科に行った時、思わず先生にあと2〜3本血を採らなければならないのかと聞いてしまいました。先生がいいえと言ったので、最高に嬉しかったです。先生は私の手に紙切れを置いて、手がひどく震えているのを確かめました。それから私の首を触って、甲状腺のどちらの葉も腫れているのに気が付きました。その後はゆっくりしていました(甲状腺のせいでひどく震えてはいましたが)。

それはともかく、先生が活動し過ぎの甲状腺の薬、タパゾール<注釈:日本ではメルカゾール>を処方してくれました。1日に2錠飲まなければなりません。それは大した事ないんですが、いちばんつらいのはダンスをしたり、体育の授業ができないことです。これは甲状腺機能亢進症のために心臓が速く打つようになっているからで、運動すると心臓が働き過ぎになるのです。

友達の中にはうんとたくさん質問をしてくる人がいて、その中でもとりわけひどい人が一人いました。ちょっと異常なくらいしつこく心配するんです。彼女は私の後をついてまわり、私が無茶していないか確かめていたくらいです。

体育の授業ではダンスほど困りませんでした。評価試験の手伝いなんかのような他のことができたからです。ダンスではただ見ているだけしかできなかったので、見ながらダンスを覚えようとしました。

6週間後に検査のためまた病院に行きました。また血を採られたけどほとんど痛くありませんでした。3日後に先生があかあさんに電話してきて、タパゾールを1日1錠に減らさなければならないと言いました。私のT4レベルが5と6の間でないといけないのに、16から3に下がっていたのです。甲状腺が不活発になっていました。

約1ヶ月経ちましたが、まだ1日1錠の薬を飲んでいます。でも、ダンスや体育の授業も受けられるようになりました。ホルモンのレベルはまだ正常に戻っていません。私にちょうど合う薬の量を見付けるにはまだ時間がうんとかかるし、いろいろやってみなくてはいけません。でもそれももうじきです。

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