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[039]2002年7月18日
[039]
中国のやせクスリによる肝障害に関する報道についてひとこと
田尻クリニック / 田尻淳一
最近、中国のやせクスリを服用して、肝障害を起こしたという報道が毎日のように新聞に載っています。この際、甲状腺ホルモンが混入しているという報道がなされるために、治療のために甲状腺ホルモン剤を服用している人の中には不安を感じている方もおられるのではないかと危惧しています。ここではっきりしておきたいことは、甲状腺機能低下症などで服用している甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)は、甲状機能を正常に保つ目的で使用されています。ここが、やせクスリとの大きな違いです。確かに、甲状腺ホルモンが高くなる病気の代表であるバセドウ病では、軽度の肝機能検査異常がみられることがあります。しかし、この場合でも劇症肝炎になることはありません。また、肝障害で死亡することもありません。チラーヂンSを治療の目的で服用されている限り、今回報道されているような肝障害などは起こることはありませんので、安心してお続けください。

しかし、中国のやせクスリは十分に気を付けて、できれば飲まない方が安全だと思います。
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