情報源 > 書籍の翻訳[B]あなたの甲状腺:家庭用医学書第15章
表4
食餌性ヨード摂取量の変化が及ぼす影響
望ましい一日あたりヨード摂取量の範囲 150〜300マイクログラム/日
一日あたりの実際のヨード摂取量−アメリカ 200〜700マイクログラム/日
1000マイクログラム = 1ミリグラム
1000ミリグラム = 1グラム
28. 4グラム = 1オンス
ケルプ錠1錠あたり通常150マイクログラムのヨードが含まれています。
“ヨウ化カリウムの飽和溶液”(去痰薬として投与されます)5滴中に180ミリグラムのヨードが含まれています。
ヨード摂取量の変化によって引き起こされる病気
ヨードが少な過ぎる場合
ヨード25マイクログラム/日未満 先天的な甲状腺腫や甲状腺機能低下症、発達遅滞、クレチン病を持って生まれてくる子供がいます。
ヨード50マイクログラム/日未満 一部の成人に甲状腺腫が生じます。
ヨードが多過ぎる場合
毎日約1ミリグラム 甲状腺結節のある高齢者に甲状腺機能亢進症を起こすことがあります。
毎日約10ミリグラム 母親が妊娠中にこの量のヨードを摂取すると、一部の子供は先天性の甲状腺腫を持って生まれてきます。
毎日約20ミリグラム バセドウ病患者の一部は甲状腺機能低下症になります。特に過去に放射性ヨードや手術で治療を受けた場合は甲状腺機能低下症に罹りやすくなります。
毎日約200ミリグラム 健康な人 甲状腺ホルモンレベルがわずかに変化しますが、別に異常は感じません。
新生児 生まれた時に甲状腺機能低下症になっていることがあります。
橋本病(慢性甲状腺炎)に罹っている人 50%が甲状腺機能低下症になります。
バセドウ病(びまん性中毒性甲状腺腫)患者 甲状腺機能低下症、特に以前、放射性ヨードまたは手術で治療を受けた人に多い。
結節性甲状腺腫のある患者 50%が甲状腺機能亢進症になります(もっと少ない量のヨードでなる人もいます。−上参照)。
腎臓のX線撮影(IVP)では、10〜20グラムのヨードを摂取することになります。胆嚢のX線撮影(胆嚢造影)では、約2グラムのヨードを摂取することになります。その他のヨード含有製剤としては、咳や風邪に使われるクォドリナール、オルネード、オルガニジン、胃の病気に使われるコンビッド、そして一部の心臓病患者に処方されるアミオダロンがあります。多くのビタミン−ミネラル製剤も1カプセルあたり150〜300マイクログラムのヨードを含んでおり、これらの製剤を大量に服用する人は危険なことがあります。
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