情報源 > 患者情報[031]
アイソトープ治療 Q&A
[031]
日本全国のバセドウ病アイソトープ治療施設の公開

当院で行っているアイソトープ治療を受ける方のための説明

. Dr.Tajiri's comment . .
. 1998年6月より、バセドウ病のアイソトープ治療が、外来で治療可能となりました。
当院では、1999年7月16日(金)よりバセドウ病に対して外来でアイソトープ治療を開始しました(当日、朝食は食べて来られて結構です)。
そこで、アイソトープ治療とはどのようなものなのかを、簡単に説明します。
.
. . .

歴史と安全性
バセドウ病に対して放射性ヨードを使った初めての治療の試みは、1941年にアメリカの2つのグループで行われました。その後、多くの人が放射性ヨード治療(アイソトープ治療)を受けてきましたが、治療量のアイソトープで白血病や甲状腺癌が起こるという証拠はありません。今では、アメリカでは、バセドウ病の90%がアイソトープ治療を受けています。

アイソトープ治療に適さない人
  • 妊婦
  • 授乳婦(断乳すれば、可能)

副作用
なし。

唯一の欠点
10年以上経つと、約50%の人が甲状腺のはたらきが落ちること(甲状腺機能低下症)。しかし、甲状腺機能低下症になっても、甲状腺ホルモン剤さえ飲めば、全く問題ありません。

実際の治療について
アイソトープのカプセルを飲むだけです。治療は大変、簡単です。治療量のカプセルを飲む前に甲状腺にどれくらいアイソトープが取り込むかをみる検査(摂取率)があります。これも、カプセルを飲むだけですが3時間後に測定しますので、その時間は待たねばなりません。外出して時間を潰されても、結構です。
治療日
患者さんの都合の良い日に治療しています。
治療は3.5〜4時間で終わります。途中、約3時間の待ち時間がありますので、外出されても結構です。
治療前1週間・治療後3日間(計10日間)の間、控えていただく食べ物
海草類(昆布、ひじき、ワカメ、のり、寒天など)、ヨード卵、昆布出しの入った調味料。
抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)
治療4日前から中止、治療3日後から開始。
ヨード剤
治療7日前から中止、治療3日後より開始。
ベータ遮断剤
症例によって、抗甲状腺剤、ヨード剤を中止した時から開始。甲状腺機能が落ち着くまで服用。
アイソトープ治療後48時間の注意事項
治療日を一日目とします。
  1. 毎日少なくとも4杯の水か他の水分を摂りましょう。服用したアイソトープのほとんどは、48時間以内に尿中へ出るからです。
  2. 風呂は、最後にお入りください。お湯を抜いた後は、シャワーで浴槽をよく洗ってください。ただし、シャワーだけの場合は最初に入っても結構です。汗に少量のアイソトープが出るからです。
  3. 可能なら、一人で寝てください。キスやセックスはさけてください。唾液や体液に少量のアイソトープが出るからです。
  4. 赤ちゃんがいるのなら、世話をするのは1日2時間以内にしてください。甲状腺に取り込まれた放射性ヨードから放射線が出るからです。特に、あなたの首には近づけないでください。
  5. 女性の場合、6ヶ月間は避妊をしてください。放射性ヨードは1ヶ月もすると甲状腺からさえも出ていきます。しかし、絶対に安全である6ヶ月間としています。

もどる