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国際甲状腺連盟(TFI)ニュースレター【ThyroWorld】の抜粋<1>

05:甲状腺眼症の心理的影響

イギリスでは、およそ250,000人の人が甲状腺眼症に罹っています。視力を失うことは恐ろしい合併症であるものの、幸いなことに視力を守るための手術やその他の治療を必要とする患者はごく少数です。大多数の甲状腺眼症患者は、病気によって引き起こされる顔形が損なわれることに黙って取り組もうとして苦しんでいるように思えます。顔の中でいちばん表情豊かで、生き生きとし、年齢に関係ない外見である目の形が歪むことはとりわけ無情なものであります。
多くの甲状腺眼症患者は、世間に立ち向かうことができません。人間関係が壊れ、仕事を失い、うつ状態となり、生活は悪い方へと変化します。過去数年間に、甲状腺眼症の内科的、外科的治療は驚くほどの進歩を遂げました。しかし、この病気の心理的、社会的側面はほとんど無視されています。

私共が予定している研究では、患者の心理的、社会的健康面に甲状腺眼症が及ぼす影響を記録するため、有効な心理学的手法とアンケートを使うつもりです。このことで、問題の程度や甲状腺眼症患者が病気と共に生きる際にどのように適応(あるいは不適応)しているかを明確にできると思います。それから、この有益な情報を患者が困難に打ち勝つ手助けとなる正式な心理的支援と治療の基礎作りを行うつもりです。

私共は、この科学的にしっかりした、そしてその結果がこの病気をもっとうまく管理できることにつながる研究を行うのに理想的な地位にあります。私共は2名の内分泌病専門医と眼科専門医により運営される大きな総合甲状腺クリニックを有し、甲状腺眼症では長年にわたって臨床的関心と優れた研究実績を持っております。また、心理学的研究においては、経験を積んだ研究者と協力していくつもりです。

Petros Perros BSc MBBS MRCP MD

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