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[006]
先生に聞こう【Ask The Doctor】 Bridge; Volume 13, No3

11:甲状舌管嚢胞

質 問
これが何であるかといことと、その治療法と選択について説明していただけませんか。

回 答
発生途上の胎児では、甲状腺組織は舌の基底部にあります。それは首の正中線に沿って気管の前で喉頭の下の正常な位置に移動します。この移動の道筋が甲状舌管と呼ばれるものです。甲状舌管の内部を被っていた細胞は、通常、発生の途中で消えるのですが、消えそこなってそのまま残ったものがもとになって、甲状舌管嚢胞が生じてくることがあります。普通、甲状舌管に沿った正中線上のどこにでも発生しますが、一般的に頤の真下から甲状腺の上縁までの間に発生します。 嚢胞が液体で満たされた場合に気付かれます。多くの患者では、甲状舌管がまだそのまま残っており、嚢胞は口腔内後部に接しています。このため、口の中の細菌が嚢胞に侵入でき、嚢胞の感染が起こります。
甲状舌管嚢胞は内分泌病専門医より、ENT(耳鼻咽喉科)の医師によって治療されることが多く、感染した嚢胞による合併症を避けるため、手術を勧められることが多いのです。さらに、まれですがこれらの嚢胞壁に甲状腺癌ができることがあります。したがって、手術の予定がなくても、最低限嚢胞液のサンプルを採取し、異常な細胞に関して分析し、また/あるいは嚢胞の充実部分の生検を行い良性であることを確かめるようにすることが大事です。

Douglas S. Ross, M.D.は、ボストンのマサチューセッツ総合病院の副医院長であり、甲状腺科の医師です。
Douglas S. Ross医師が、甲状腺の病気や甲状腺の働きに関する読者の一般的なご質問にお答えします。しかし、患者さんの個人的問題についての細かいご質問にはお答えできかねます。個人的に甲状腺の問題についての助言が必要な方は、ご相談なされるようTFAがお近くの内分泌専門医の名前をお送りすることができます。お問い合わせは、ここボストンのTFAまでお手紙かお電話でなさってください。

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