コミュニケーション > 患者さんの手記
[013]
[013]
アイソトープ「トレーサースタディ編」
. Dr.Tajiri's comment . .
. このレポートを書いてくれたのは、ニックネーム「なお」さんです。
甲状腺癌全摘後のアイソトープ治療を受けました。今回はアイソトープ治療後のトレーサースタディ(甲状腺癌の転移があるかどうか調べる検査)のために入院されました。入院したのは石川県の某国立病院の核医学科です。
.
. . .
2月5日月曜日  
  母とわたしの愛車で出発!
到着後、すぐ採血かと思っていたのにオーダーがでていない。。
朝食を食べずに来たのに。。

自分で思っていた部屋とは別室に案内される。おや?今回は結構な入院患者数だ。
監獄でお世話になったあの部屋のちょうど前の部屋に入院となった。

気楽に来たのに看護婦さんはなかなかうるさい(笑)。

入院は5日では短いだの、ヨード制限は木曜までだの、今回は治療室には入らないけど明日の入浴が済むまでは出歩かないであまり触らないでだの。。
ふー、こんなことならアイソトープ治療とまったく同じ日程で入院すればよかったと思ってしまった。

今回は5日だしと思ってパジャマも自分のを持ってきたのに「治療じゃないけど飲むんだから」ということで病院の衣類を借りることになる。
着替えてアナムネ、血圧、体温、体重、身長のチェック。
おっつ!メニュー表が!!しかも選択メニュー!!だが、所詮まだまだヨード禁。
やっと常食になってもすぐに退院。。
ちょっと残念。


主治医1、2は前回と同じ。
2人とも月曜日はどこかに出張なので夕方にしか戻らない。
なので、放射性ヨードは違う先生が飲ませてくれるとのことを看護婦さんから聞く。
前回もそうだったしなあ。。

病室に案内されるまでエクシーレをチエックするが、地下のせいか電波が悪く、受信不可能。「げー、じゃあ、チェックしに地上に行かねば無理なの?めんどくさー!」と思っていたのを思い出し、チェック!アンテナは1本なのになんとか受信できた!よかったー!!

とりあえず、友人からと大家さんからのメールに目を通し、翌日返事を書くことにする。さすがにあれだけ言われると。。
ねえ?

結局、昼食前に採血をして昼食。
まだ制限食なので味気ない。。
イカの酢の物。。いいのか?
出すんだから平気なんだろうけど。。
うーん、悩んで止める。

卵豆腐、大丈夫なだしで作ったのね。
とは思いながらもこの2週間のことを思うとなかなか食べられない。
結局、梅干しと卵豆腐と胡瓜といよかんでお昼は終わり。

母はアイスクリームを買って食べていた。

昼1時になるかならないかで母、することもないので帰る。
病棟の外まで見送る。

テレビをぼーっと見ながら投薬を待つ。

。。。おかしい。前回は1時過ぎくらいに飲んだのに?
聞くと「3時くらいかなー?」との返事。えー!!3時から見たいテレビがあるのにー!!(ザ・テレビジョンを購入してチェック済み)
でも、仕方ないなあ。。
と思ってただ、待つ。

2時55分頃、もうひとつの部屋の方が監獄に向かわれた様子。そろそろだー!
「じゃあ、なおさんは後にしましょう」
ということで後になったので急いでトイレを済まして水をコップに1杯用意して待つ。

「じゃ、なおさん。******(本名)で間違いないですね?では、飲んでいただきます。両手を出してください。はい、かまずに飲み込んでくださいね」
やはり、割り箸かあ。
今回のカプセルは黄色を2つ。
中は白い粒粒が見える。いや〜!!
1つのカプセルはちょっと柔らかめ?

初め、2つ一度に飲もうかと思ったけれど引っ掛かったら、まずいわーと思って1つづつ、摘んで飲み込んだ。

飲み込むと、看護婦さんと先生はさっさと出ていってしまう。

今回はトイレも我慢せずに自由に行ってもよく、何をしてもいいらしい。
前回のようなカウントもなし。
なんか、つまんないなー。

はっつ!忘れてた!!テレビ!テレビ!!
付けるとニュース。よかった。間に合った。お目あての「少年隊夢3」は地元では放送されないので特に見たかった番組である。常連の皆様には言わずと知れた「ジャニオタ」である私。(注:但し、目当てはミュージカルアカデミーの一員、屋良朝幸くんである)久しぶりの彼の雄姿を見て一人熱くなっていた。

そうこうしているとトイレに行きたくなってきた。
3時55分にトイレに。
やはり、はやめに体内からいらないものは排出してしまった方がいいに違いない!と勝手に自己判断して水を飲む。


そうこうしていると、主治医1、2がやってきた。
この入院に関しての話をざっとして触診、脈を採って主治医1は去って行った。
まあ、外来で逢って話してるのでいるのでそんなもんでしょう。
主治医2はどうやらいろいろ忘れているらしく、話していくと「あ〜、思い出してきました!!」…こんなものなのか?
まあいいですけどね。

「明日、エコー撮って8日に撮影して、今回はそれだけですね」
「今回はチロナミン開始と同時にチラージンSも飲んでもらうことにします。1週間程でいいですよ」
そして触診して「書類とかは?」というので今回は何もないことを伝える。

「あ!でも先生。自宅療養、退院後2週間って言ってください」と我儘なお願いを言う。そうでないと、大っぴらに休みがもらえない(悪)
「じゃあ、書類で書きましょうか?」
それでは、お金がかかってしまう(ケチ)「いえ、先生が言ってくださるだけでいいんですよ(にっこり)」
主治医2は去っていった。

主治医2の腕には5月にはなかった時計が。。(前回はH陸銀行キャラクター、ムーミンの時計であった)頑張ってるのね、主治医2!まだ大学院生だったのではなかったか?

夕飯はまたもやヨード制限食。
あー!かつおぶしー!!しかも万遍無く。。避けながらチンゲンサイのお浸しと根菜の煮物、鰈の煮物を半分を食べて終わり。練り梅があるが機になって食べられず。

おもしろいテレビもないので共同本箱の本を読む。金沢の雑誌が何冊かあり、金沢の街を知っておこうと読み捲り、疲れて眠る。

1日目、終了。
2月6日火曜日 またもや、問題発生。。
  昨晩、早めに寝たのだけれど熟睡、と言うわけにはいかなかった。
やはり、枕が変わると駄目らしい。
今回の入院はやはり、ちょっと違う。。等と思いながら体重測定。
前日の昼前から500g減。

お腹は空いているのに食べるものがない、というか、食べたくないものが多い。
これも、前回の退院前に「治療中、コロッケや鰻では余計に食べられない。もう少し患者のことを考えてほしい」などと投書したのが原因なのだろうか?
嫌がらせにしか思えない(被害妄想)。

朝食は相変わらずの食パン、牛乳が飲めないのでジュース。プチトマト3個にグリーンアスパラの茹でたものが1本をノンオイルサウザンドレッシングで。と言うサラダと妙に乾いたいり卵。
ドレッシングの増粘剤にキサントチンの名を発見したので一応、止める。(蟹はヨードOKらしいが)
プチトマトは固さを確かめ2つだけ。(1つは身割れのためパス)。
パンは、白い部分だけを食べて朝食はおしまい。

看護婦さんに「食欲ないの?」と聞かれるが「いや、そういうわけでは。。」と当たり触らず答えておく。
ヨード禁から解放されねばどうにも、こうにも。。。


朝の連続テレビ小説「オードリー」を見てトイレに行くとエコーの呼び出しがかかり、核医学科の外来へ。そこには嬉しそうな顔をした主治医2が待ち構えていた。

「えーっと、なおさん。エコーはいつ撮りました?」
「いいえ、術後初めてです。あ、でも前回入院時にちょっと撮ったか(頸動脈事件)?それくらいです」
「じゃあ、撮りますねえ。」
と、ぐんぐん、エコーを撮っていく。
核医学のエコーは全科共通のエコー室とは違ってすべて核医学の先生方が撮る。
しかも、終了後はティッシュで拭くだけ(共通エコー室は温かい濡れタオルをくれる)。匂いが残るのであまり好きではない。
「さすが甲状腺はありませんねえ」
もしかして、冗談のつもりか?
「ここに普通ならあるんですね、で、ここに動脈、頸動脈があって、これが食道、ちょっと唾を飲み込んで見てください。でここが気管っと。うーん。。。。」

ちょっと、ちょっと!!それって。。なんか大きさ計ってない?
主治医2はなにか物体の大きさをスケールしはじめた。そして、初めて見るちょっと年配の先生と交代し、またその先生も計りはじめる。そして、主治医2は主治医1を呼びに行く。。最悪では?と不安がつのる。

主治医1登場!やはり、同じ位置をエコーで見つけ計る。
場所は左鎖骨下辺り。
プリントアウトしてシャーカステン前に。
「なおさん、今エコーで見たら左鎖骨の下にリンパがありました。前回の治療のときには影も見られなかったんだけれどもねえ。でも、悪いリンパならもう少し丸い形なんだけどこれは楕円形で横1.7センチで縦が7ミリくらいなんだね。で、サイログロブリンは今まで高い数値を示していなかったから大丈夫だと思うんだけど。とりあえずは8日の撮影と血液検査の結果で今後の方針を決めましょう。まあ、ちょっと時間があるからもんもんとするかもしれないけれど、それしかないです」
「で、そうなって最悪、取ることになるんですか?」(あ〜ちょっとうるうるきちゃう)
「うーん、その前に生検してからになるねえ、でもまだなんとも言えないから、ね!?」
って言われてもぉ〜!!がっくりと肩を落としてそのままリハビリへ。。

最悪、手術か。。。などと考えながらリハビリを待つ。今日もリハビリは人が多い。あっちこっちのベットに移動され呼ばれたと思ったら理学療法医の診察であった。
「どう?まだ回復しないの?」
「いや、どうかな〜?と思いまして。今回検査入院でいるので診てもらえたらと思ったものですから」
と話して腕の上げ下ろしをやってみる。
「なんだー、回復してるじゃない!?ちょっと時間がかかってたからねえ。これで駄目なら今日も筋電図撮ろうと思ってたんだよー」
よかったー!あんな痛いのもうしたくない。。腕も肩甲骨もいい調子なので今回は気分転換にリハビリしてこれで卒業と言うことになりました。

しかし、問題はリンパ。。。
リハビリから戻ったと看護婦さんに告げると主治医2が
「CTの予約取りましたから、8日にやりましょう!」
「あ、じゃあ、8日は撮影とCTですね。ところで、今回の撮影は何の撮影なんですか?」
「肺と骨ですよ」
「はい、わかりました(洒落ではない)」

お昼も相変わらずのメニュー。卵豆腐のあんかけに煮物。りんご。胡瓜ともやしの酢のもの(胡麻油風味)いつもよりは食べたけれど。。気分は重い。。

午後は助教授回診だからそれが終わったら入浴。それで少し気分転換できるかな?

助教授回診は何故か人が多い。
あれ?5月のときは少なかったのに!?
「この部屋、暑くない?何度あるの?」
「29度です」
嘘だあー!その場所はそうでも、私のベット近くは寒いんだい!(しかもアンカまで借りている)だって、機能低下症なんだもん!

相変わらず助教授は優しい口調です。
でも、え?その質問はどの件に対して?と言うカンジでした。まあ、あとは主治医たちにお任せしましょう。

せっかくなので、耳鼻科も婦人科も気になるところは受診したいと看護婦さんに告げておく。
主治医2がやってきて
「金曜日退院で忙しくない?入院、延期する?ほら、保険もでるし?」
と言い出すので
「16日に第○外科の受診があるのでそれまでいれるならですけど、金曜から外泊出来ます?」
と聞いてみた。すかさず調べに行く主治医2、しかし、この混みよう、無理であろう。。
案の定、来週は男性患者さんが入院ということで予定どおり退院ということになった。


その後、入浴。
入ろうと思ったら主治医2がCTの同意書を持ってきた。これは去年の手術前にも書いているがやはり「重篤な甲状腺機能障害がうか」と言う項目があるので「どうしましょう?」と聞いてみる。
「うーん、<はい>にしておきましょう」じゃあっと、それだけ<はい>にしてあとは<いいえ>でっと。記入して提出。


病棟の看護婦さんが久しぶりーと、顔を見せてくれる。この看護婦さんは前回の入院時に甲状腺を少し採っていると話してくれた人である。それに、結構本音で喋ってくれる人だ。
明日、入院があるので隣のベットを準備しにやってきた。
「なんか、リンパが見つかっちゃって」と少し愚痴ってみた。
「これからは専門医に任せたほうがいいね!なおさんはどこで手術したんだっけ?」
。。。ごもっともでございます。
ふう、また少しブルーだわ。

そしてやっと入浴。
やはり、寒いわー。いくら、お湯があるとはいっても。頭を3回、身体も3回洗って終わり。タオル類を洗濯。

そうそう、メールチェックして返事かかなきゃ!!

そうしているうちに夕食。
またもや鰈。なんで2日連続なのさ?
確かに制限食患者なんて2人だけなんだけどさあ。ちょっと淋しいわ。
今日はじゃがいものカレー炒めでほとんどご飯を食べ、煮豆を少し摘んで八朔を食べ終了。

今日からチロナミンとチラージンSが開始。少しは顔の腫れも引くかな?

やっとメニュー選択の用紙が付いてきたので嬉しそうにメニューを見にいく。。
がっかり。しかたない。常食のおでんにしておこう。
成人食か老人食の2パターンしかなかった。。(涙)


そうこうして、メールを送信して今日のレポを書いているところに婦長さん登場!
彼女は去年、第○外科にいて、春の移動で核医学に来た婦長さん(今年で2年目:多分)である。
「なおさん、本当に金曜日退院でいいの?」
と言われても、病棟予定で一杯でしょう?どうにかできるんだろうか?などとも思いつつ「いいんです」と答え、第○外科話に花を咲かせた。

「なんか、リンパが見つかったんだってねえ、また治療するの?」
「いや、CT撮って、撮影して血液検査見て方針決めるそうですけど。その後問題があれば生検って聞いてますけど」
「ああ、そういえば。。」

どうやら、助教授に生検してもらうよう、主治医たちは話をすすめているようである。
お任せしますわ。ええ、もう、きれいにしちゃってください。
しかし、去年で終わりと思っていたから凹むけど。。

まあ、あまり深く考えずにいます。
今はそれしか出来ないし。
とりあえず、明日は耳鼻科です。
耳掃除をじーっくりしてもらいます。
2月7日水曜日 とりあえず、だのに身体は。。
  昨日のことが頭を離れず悶々としながらも朝を迎える。
さすがに朝の4時からは面白いテレビもないのでゴロゴロしながらテレビが始まりそうな時間を待っていると夜勤の看護婦さんがポット交換に来てくれたのでテレビを付けたらもう6時半を回っていた。

面白い芸能ニュースもなく、朝食を食べる。今日はゆで卵が登場したのでマイマヨネーズでサンドイッチにしていつもよりはかなり食べた(この後、エライ目にあうのに。。)。

友人たちからのメールの返事を書き、雑誌で見付けた情報を書き留めていると耳鼻科に呼ばれる。時間は9時半過ぎ。エライ早いわー、と思いつつ、3階の耳鼻科へ。

しばし、待たされるが空いていたのか思っていたよりも早く診察室に入ることが出来た。
「なおさん、耳がガサガサするんですって?」
先月末くらいに耳掻き中に少し出血したこととこの際、耳掃除をして欲しいことを告げる。
自分のなかではごーっそり溜まっていると思っていたのでドキドキして耳を診てもらうと思ってもいない返事が。。。
「全然、ないですねー。聞こえにくいとかはないですか?まあ、一度検査もしましょう。前で待っててください」
ちぇっつ!全然無いってどういうこと?
つまんないのー。と思い一人待つ。

検査待ちの間は、去年耳の手術をしたというおじいさんに声をかけられる。
「お姉ちゃんは入院してるんか?」
「はい、あ、でも耳鼻科じゃないんですけどね」
(きっと説明しても解ってもらえないだろうという気持ちが働いている)
「わたしゃ、去年の2月に耳の手術したんやけど、今度は反対側の耳をどうするか決めるんでねー。まあ、やってしまえば楽やけど、手術は嫌なもんやねえ」
[注:勝手に地元の方言に置き換えている所もありますので御了承ください]
などと話を聞いていると検査に呼ばれた。薄暗い部屋に入ってヘッドフォンを付けて、音が聞こえる間、ブザーを押すアレである。大学病院だからなのかいろいろな音があり、しかも片方の耳から音をだしている状態でもう一方から音を出すという特殊(?)な検査も(だってこんなのは初めてなんです)。ざっと移動時間を入れても10分くらいで終了。また、呼ばれるまで待つ。
看護婦さんに呼ばれて中に入ると先生は学生さん(多分)にどなたかのレントゲンを見せながら説明をしている。隣では2人組が母親アヒルに付いていく様にちょこちょこと歩き回っている。医者の実習って大変ねえ、などと思わせる雰囲気が出ている。そう思ってぼーっとしていると
「お待たせしました」と先生の声。
ちょっとあたふたとしてしまう。

「耳の聞こえも両方とも変わりません。
耳の中も綺麗ですし。どちらかといえば、触り過ぎで炎症を起こしてるのかも知れませんね。結構、耳掃除します?」
「はい、ムズムズっとすると、つい。。」「じゃあ、今回はお薬を付けておきます。で、今日から2週間は耳を触らないでくださいね。それでもまた違和感があるなら診せにきてください」
がっかり、なーんだ。耳掃除のしすぎかあ。
しかし、この薬付けが痛い!ちょ、ちょっと待ってー!と言う顔をしていたからか?「あー、御免、御免!!もう少しだからねー」とあっという間に終了。
「じゃあ、終わりです」
「ありがとうございました。あ、でも先生、耳の中がかゆくなったら指で触るのは構いませんか?」
「綿棒で優しく触る程度にしてくださいね」
と念を押される。「耳の触りすぎ」どうやら耳鼻科にはあまり縁がないらしい。

部屋に戻ると、月曜日に監禁されていた人が入浴していた。そうか、今日は教授回診だ。等と思いながら部屋で懲りもせず懸賞葉書書きにいそしんでいるとと同室の患者さんが入院してきた。

どうやら、私は131-I(放射性ヨード)を飲むとかなり嗅覚が活発になるらしい。その人とその同行者の人の匂いで頭痛が始まった(デリケート)。
また、部屋の蛍光灯がチカチカとし始めた所為もあるのか気分まで悪くなる。

我慢できずに気分転換に書き終えた葉書を郵便局まで出しにいくことにする。今日の病棟ナースはアナムネを取っていたので黙って行こうとすると、検査室前担当ナースに「どこ行くの?」と呼び止められた。
「郵便局まで行ってきます。あ、部屋の電気がひとつ、チカチカするんで換えてもらえませんか?」とお願いして郵便局に行きすぐ戻る。やはり、気分が悪い。
朝食のゆで卵のせいか?などと思っていたら昼食。
最後の制限食であろうと思われる。
焼き鰈にピーマンの炒め煮、大根の煮物にオレンジ。
朝、みかんの缶詰だったじゃん!!しかもオレンジジュースでさあ。。などと思いながらもオレンジしか食べず。食欲低下傾向出現。

同室者、帰室し、しばし話す。所に、蛍光灯交換現わる。
これでチカチカから解放されるも頭痛治らず。

1時に教授回診。胸の音、あっかんべー(舌は出さず)され、ぼそぼそと主治医1と話している。
「今回、トレーサー入院で左鎖骨下にリンパが見つかったんだね」
そう、そうなんすよ!教授!!と心の中で訴える。
助教授に次いで甲状腺専門と言われるY山先生が主治医1に
「まあ、大丈夫だと思うねえ。サイログロブリンもアレだし」
と話している。ああ!一筋の光が!!(大袈裟)
「はい、じゃあね」
ああ、なんてあっけない教授回診。
まあ、そんなもんですけどね。

隣に移って同じことをして、終了。

主治医1が
「なおさん、サイログロブリン、陰性だったし、TSHも低かったから、多分大丈夫だと思うよ。元気になったら一度生検だけはやりましょう!」
え?元気になったらって、いつ?まあ退院の時にでも聞こうっと。
「え、じゃあCTは?」
「あ、一応調べておいたほうがいいから撮るよ」
はーい。わかりましたー。とりあえずは一安心ですわ。

しかし、頭痛軽減せずで午後の検温の看護婦さんに「手持ちのセデスを飲んでいいか」と訪ねるとしばらくアイスノンで様子を見るよう言われる。そういえばこの看護婦さんはあまり薬を勧めない人であった。
さて、様子を見るが余り変化無し。

それにしても今日のリハビリ遅いわー。
5時からの「ケイゾク」までには終わらせたいわー。等と思って本を読んでいると
「遅いわねえ?リハビリまで行ってみたら?」
ということで行ってみることにした。

リハビリ前で「すいません、なおですけどM山先生お手空きならリハビリお願いしたいんですけど。あ、無理ならまた病棟まで連絡くだされば出なおします」というと、すかさず、理学療法士登場!
とある文章をまとめていたら予定の3時を1時間もオーバーしていたらしい。

かなり、今回はダメージが大きいのを知っているので簡単なリハビリ。
生検に向けてのトレーニングを聞いて今回は終わり。

部屋に戻って「ケイゾク」を見ていると夕飯。しかし、食欲無し。ヨード解禁だというのに。。
夜勤のナースにセデスの許可をもらって、いつもの薬と服用。
あら不思議!?30分も経たずに効きだした(笑)

その後、入院患者4人で情報交換(笑)。今日監獄から脱出した人はかなり元気な様子。先週監獄入りだった人も去年の私と比べるとかなりの元気。
味覚障害もほとんどないらしい。
うらやましい。。。


それからはレポ書きで今日は終了。
熱を測れば37度。
朝の36.9度はこの兆しだったのね。
明日は辛かったらさっさと薬を飲むことにします。

おやすみなさい。
2月8日木曜日 とうとう運命の日
  運命の日だからなのか、昨日の夜はあれから眠れず、頭痛が再来。
「眠れない」理由のひとつは頭痛+肩凝り(?)そして撮影、CTの結果。それと今まで一人で部屋を独占状態だったのがそうでなかったからでしょう。
第○外科や他の病棟で慣れているはずなのに一度楽を覚えると大変です。

結局、今日を迎えても寝れず、知らないうちに寝ていたようだったけれど、朝5時目を覚まし、そーっとナースセンターまで行き、炭酸飲料を買いに出てセデスを飲んだらあら不思議!これまたすっと治りました。体重を測るとやはり食べていないので少し減少。このまま1週間いればあと-3キロはいけるわ。。などと思いながらいたけれど明日退院。どうせ、あっという間に戻ることでしょう(涙)。

夜勤ナースとしばらくおしゃべりして部屋に戻ってメールを書いていると朝食。パイナップルだけで終わる。食べたくなーい。
そうしていると、主治医2が。
「食べられないんですって?」
「ええ、宿酔ですかねえ?」
「いや〜、10位ではそういう症状は出ないんですけどね」
だって、前と同じ感じなんだモン。
胃の不快感もあるし。
「頭痛はどうです?」
「今は大丈夫です。あ、先生。イブプロフェン系の痛み止めがあれば出してもらえませんか?」
ボルタレンは効かないし、セデスは粉だし。あれば欲しいわ、と前々から思っていたのだけれど。。
「あ、じゃあ調べておきますね」
と言って主治医2は去っていった。

そして朝の検温。やはり37度ある。
熱のせいなのか?
でもセデスのおかげで頭痛もないし、快調なので明日の婦人科受診のためにちょっと寒いけれどシャワーをすることにした。
今日は持って帰る持ち物の放射線量測定もあるので早めに洗濯しておく必要もあったし。

そして、シャワーをすませ、洗濯をしていると主治医2が
「イブプロフェンの痛み止めは座薬しかないんですよ。出しましょうか?」
「いや、ないならいいです」
そういえば、前もこれ聞いたんだっけか?などと思いつつ乾燥機にかけるとリハビリに呼ばれる。

今日のリハビリはいつにも増してハード。それはきっと元気だと見て十分解るからなんでしょうかね?

しかし、今日のメインはなんといっても撮影とCT。
これが済まねばなんとも。。。
と思いながらいるとお昼。
ああ、食べたくない。グレープフルーツとまたもや炭酸飲料のみを買いにいきそれで終わる。

午後からは呼ばれるまでは何もすること無し。持ってきた推理小説を読み切ってもまだ呼ばれず。。
とうとう、放射線量測定のほうが先になってしまった。
前と同じ技師サンであった。
飲んだ日の下着類も無事で全部持ち帰りOK。さて、あとは撮影とCT!

ああ、これでは「ケイゾク」の最終回は無理か。と思っていた矢先に撮影に呼ばれる。こんなに長かったっけ?というくらい、15分間の全身と10分間の上半身を撮影。

部屋に戻れば5時を10分近く過ぎていた。ああ、やっぱりと思いつつ、テレビをつけて一応みて見る。
そうこうしてると夕飯が。。しかし、まだ呼ばれず。。

担当ナースが明日は休日のため、逢えないため、挨拶にみえる。

6時少し前にやっとCTに呼ばれる。
主治医1がナースセンターで何やらCTの影像についてのことでいろいろ問い合わせていた。
CT前に行くもまだ先約あり。どうやら私が本日の最後の患者の様子。

また暫し待って中に入る。
ああ、これで決まるのね。。と思いながらベットに横になる。
「注射、するんですよね?」
と聞くと
「いえ、ありませんよ」と肩透し。
腕まくりしたのに。。。

ドキドキしながらCT終了。

またもや、帰りに炭酸飲料を購入し部屋に戻って夕食。

今晩の病棟ナースが
「今日、先生夜勤やし診断するらしいから遅いけど起きて待っててって」

ああ、ホントに、今日で決まるんだ。。

夜勤ナースの話では9時すぎということなので呼ばれるまで入院のみんなと歓談。
今回は満床なのでかなりにぎやかである。
私を除いてみなさん初のアイソトープ。
傷の見せ合いや今までの経路を熱く語り合った。
乳頭癌患者同士がこれだけ話せることもそうないだろうなあ。いい経験が出来たと思う。

9時を過ぎ「渡る世間は鬼ばかり」をみんなで見ていたところ、呼び出される。

ああ、とうとう来たなあ。。
主治医1は神妙な面持ちでシャーカステンに今日の撮影像と前回の撮影像を置いてゆく。
…嫌な雰囲気だ。
「よろしくお願いします」

「お待たせしました。これが、今日撮った全身の撮影と首の周辺だけを撮った影像です」
前回は所々に黒い集積があったが今回はほとんど見当たらない。
131-Iの量がトレーサー量ということもあるけれど、取り込むものはないという事らしい。つまりは1回のアイソトープで効果が十分出来たと判断された。(と思う)

あの怪しかったリンパの辺りも特に何もなく、血液検査の結果からも良性と考えられることからアイソトープは今回で無事、卒業と言うことになった。
せっかく撮ったCTは増影剤を使用しなかったのではっきりとしたことは解らないけれどまず、問題なさそうと診断された。
(重篤な甲状腺疾患に○をつけた為?)

さて、今後どうするかの話となる。
一番気になっているのが左鎖骨下のリンパ。おそらく、良性というものの、吸引細胞診をする方法と暫らくエコーで追い掛けていく方法の2つに絞られる。
相変わらずせっかちな私は
「暖かくなったらでいいんじゃないの?」という、主治医1の言葉に反し、
「いえ、今すぐにでも!」
というかなり積極的な方法を選択。
来週の診察時に生検の予約を入れるということになる。

で、今後の話となるが
「なおさんの場合は何度も手術をされているので一番心配なのが肺と骨への転移です。普通の人よりはこまめにチェックしていこうと思います」
「はい(洒落ではない)」

一番気になっていたのはそのリンパがいつ頃出来たものなのかだったが、ここ数か月で出来たものではないとの返事。
では、去年の手術時や前回アイソトープには存在していたのかどうかを訪ねるが今回はかなり偶然的に奥の方までエコーを押しあてて見つかったので何とも言えない様子。
トレーサーでもひっかからないため、アイソトープをしても効果は見られないのでこの場合、切除となるであろうが、現在はそこまでは考えなくてもよいのでは?
ということであった。

生検をして悪影響はないのかも聞いてみた。悪い細胞だと刺して飛ぶことも考えられるけれどまずは大丈夫でしょう。
こまめにエコーで追っ掛けて、それからで大丈夫でしょう。ということになる。

主治医1は放射線科の診断よりも先にCTを借りて診断してくださったらしい。
もちろん、お礼を言ったがもう一度ここで言わせてもらう。
「ありがとうございました!」
結局、総括すると
監獄生活はもうしなくていいけれど、経過観察は必要ということである。
ほとんど白なのだけれどあのリンパがグレーゾーンを示したということらしい。
しかし、これで核医学科への入院はもうないということは確定となった。

「なおさんは勉強してある程度解ってくれているからねえ」
「いえいえ、とんでもないです。私にはセカンドオピニオンがいるからこうやって話も出来ているだけなんです」
「いや、でもそれでいいんですよ!」

とりあえず、一安心(グレーゾーンだけれども)ということである。
もどる