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甲状腺癌手術レポ!!
. Dr.Tajiri's comment . .
. このレポートを書いてくれたのは、ニックネーム「ともちゃおのママ」さんです。 .
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プロローグ もうすぐ入院・手術です
入院日記(0) はじめまして。3歳の男の子と8ヶ月の女の子のママのともちゃおのママと申します。みなさまよろしくお願いします。

もうすぐ手術を控えて不安になっているところ、このホームページをみつけていろいろと自分の病気について勉強することが出来ました。ありがとうございます。でも、入院といえば出産のときに1週間病院にいたくらいで、まして体にメスを入れられるのもはじめてなので、ドキドキします。

去年の年末に風邪で近くの個人病院へ行ったとき、先生が私の首を触って、「ここ、何かありますね。いちどちゃんと見てもらったほうがいいですよ」といわれたのが最初、大きい病院でみてもらったところ、甲状腺癌(乳頭癌)だと診断され、手術することになりました。
今年の3月まで育児休業中で、4月から仕事に復帰する予定だったのですが、結局休みを延長してもらうことになりました。

4月13日に入院、24日に手術です。手術前にこんなに長い間入院するものなのでしょうか…。全身麻酔も安全なものなのでしょうか…。

入院中や術後の何かよいアドバイスがありましたら、どうぞよろしくお願いします。
幼い子供たちを残して入院するのは本当に心配ですが、病気になったのが子供でなくて自分でよかったと思いながら、頑張って手術に挑もうと思います。(挑むというのも、なんか変な言い方ですが…)

この掲示板にいろいろと書かせてもらって、少し胸がすっとしました。
またよろしくお願いします。
入院日記(1)  
  大家のおやじさま、おはようございます。
昨日の夜、はりきって入院日記その1を書いて公衆電話から送ろうとしましたが、なぜか失敗してしまい、書いたメッセージも消えてしまいました。
くすんくすん。今この文章だけを送りにいってきます。
このメッセージが届きますように…。
入院日記(2) 4月13日木曜日
  いよいよ入院。部屋は窓際になりました。ラッキー。
主治医の先生からのお話。私の場合、左に1センチくらいの腫瘍があり、その近くにひとつ、あと右側に小さいのが一つあるが、それは良性の可能性大だということ。明日からいろいろな検査を行うとのこと。
週末は外泊OK。くれぐれも風邪をひかないようにといわれました。
同室の人々はみな良い人ばかりで、恵まれています。
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4月14日金曜日
今日、重大事実が発覚!!実は私の手術日は24日ではなくて21日とのこと。どうりで入院前の日数が長いと思った。電話で聞き間違えたのかしら…?
先生より入院診療計画書をもらいました。病名は甲状腺腫瘍、症状は左頚部腫瘍、手術内容は甲状腺全摘または左葉切除+リンパ節郭清の予定、入院期間は3週間の予定とのこと。
今日はたくさんの検査をしました。朝6時に採血、9時に採血、10時半に抗生物質3つを注射して、様子を見る。お昼前にレントゲン・心電図。午後1時より細胞を吸引する検査、2時より肺活量の検査…これは平均以上といわれ安心。そして血液が止まる時間を測定(なんていう検査だったかしら?)。
2日にしてもう病院食はあきてしまいました。まあ、明日は家へ帰れるし、がまん、がまん。
入院日記(3) 4月15日土曜日
  病院のベッドは腰のあたりが沈み、朝目がさめるとすごい腰痛!!家に帰ったらクッションかなにかもってこようっと。
午前中主治医の先生が来て、「来週、担当の先生(執刀医のことだと思うのですが)がもう一度超音波その他の検査をします」とのこと。「えーまた針さすんですかー」と露骨に嫌そうな顔をしてしまいました。注射と違って、さしたあともしばらく痛いし…。私の腫瘍の場所に関して、主治医の先生と執刀医の先生とで少し意見が食い違っているようです。
わーい。外泊だー!!と喜びもつかの間、下の子が風邪をひいていて保育園をお休みしてました。で、うちに帰ってからずっと子守りでした。夕方まで一人で家でのんびりできると思ったのに…。まあ、愛する我が子のことだから、しょうがありません。
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4月16日日曜日
絶対に風邪をひかないようにほとんど一日中家にこもってました。
家の中の仕事をしていたらあっという間に夕方。主人と子供に見送られて病院へ。しかし子供たちは誰も別れ際に泣いてくれませんでした。私とのお別れよりも主人とのドライブで頭がいっぱいのようです。
病院にかえったら、またいつものように静かでひまな時間が戻ってきました。でも、たった2〜3日で、なんか病院にいることがいつもの生活のように思えてきてしまいました。慣れって恐ろしい…。
さあ、パソコンして、手芸して、ラジオ聞いて寝よ〜っと。
入院日記(4) 4月17日月曜日
  今日から、看護実習生の人が私の担当になりました。笑顔のかわいい感じのいい人です。で、いろいろと話していたら、なんと彼女のお父さんは数ヶ月前に肝臓ガンで他界、お母さんは彼女が高校生のときに乳がんで手術したそうです。一人っ子なので、現在お母さんと二人暮しだそうです。若干20でいろいろと苦労したようです。きっと笑顔の素敵ないい看護婦さんになると思います。
今日から吸入のようなものが始まりました。機械に液体を注入して、10分間それを吸いつづけます。
手術前後に行い、術後の肺炎を防ぐためのものだそうです。でも、一日3回もあり、吸い込み口のプラスチックのにおいがくさくて、嫌です。こんなことして本当に効果があるのだろうか…。

しかし、マズイ、マズイ、まずすぎる!!いちおうこのあたりでは一番大きい医大の附属病院なのに、病院食がこんなにまずくていいのだろうか…。建物は5〜6年前に新築したそうで、ぴっかぴかなのに…。しかも私の今日の夕食は一皿足りなくて、看護婦さんにお願いしましたが、結局忘れられて持ってきてもらえませんでした。くすんくすん。
今、病院食をもう断って、売店で買うか、食堂で食べることにしようか真剣に考えています。今日の夕食はご飯(これだけはなんとか食べられる)、しょうゆが辛すぎるおひたし、どう見ても冷凍さといもをつかったいもの煮っ転がし、生臭い魚のてんぷら…。結局5分の1ぐらいしか食べてません。
同じ部屋の患者さんとも、毎日マズイ食事の話で盛り上がっています。とりあえず今日の食事は、バナナ、ヨーグルト、缶詰のいわしの煮つけでしのぎました。
病院の食事って、健康保険の対象になりますか?全額自己負担ですか?自己負担なら、もうやめてしまおうかなと考えてます。だってあまりにもひどすぎる〜!!

入院日記でなく、愚痴大会になってしまいました。失礼しました。

もう消灯前だというのに、急に担当医の呼び出しで、いまから超音波検査をすることになりました。
「すいません、今しかする時間がないもので」先生もとても忙しそうです。私も今日は疲れたので、内容は明日に持ち越しま〜す。
入院日記(5) 4月18日火曜日
  入院のついでに、1年も前からある太もものあざを皮膚科で見てもらいました。
虫さされのあとが紫色になり、少し肉が盛り上がってたのですが、痛くも痒くもないのでずっとほっといてしまったのでした。
が、いきなり「検査のため、米粒大の肉片をとり、2〜3針縫います」といわれてしまいました。
ひえー皮膚がんだったらどうしよう…。でも、痛みはたいしてありませんでした。
検査の結果は1週間ぐらいかかるそうで、当然抜糸も一週間後、つまり甲状腺の手術後となってしまいました。でも、皮膚科の先生いわく「大丈夫そんなにたいしたことないですよ」
おかげで今日からお風呂にも入れなくなってしまった…。手術前の最後のお風呂、体をピッカピカにしようと思っていたのに、残念!でも、この病院は洗面シャワー台もあるし、病室内でもお湯の出る洗面台があるので、まあ、なんとかなりそうです。

夜の8時すぎ、主人と一緒に執刀医の先生より手術の説明をうけました。まるで大学の講義か高校の授業を受けているような気分でした。
その説明は甲状腺ガンの種類にはじまり、生存率の説明、甲状腺や血管の図をボードに記入し、そこを通る血管や神経、リンパ腺の説明など、大家のおやじさまのHPの説明そのままで、とてもここでは書ききれません(というかめんどくさくて…すいません)。
で、手術の内容は、甲状腺の左半分切除、右半分は残すということです。そして、リンパ節郭清(この字であってますか?)も行うということです。手術の際には、反回神経(これを傷つけると声がかすれたりする)に注意を払いながら行うということです。
首には15センチくらいメスを入れ、3〜4時間くらいの手術だと言うことです。
モニターで私のがん細胞も見ました。気持ち悪い変な形の毛虫みたいでした。
で、術後は、がん細胞を刺激するホルモン(TSH)を抑制するホルモン剤「チラージンS」を一生飲みつづけなければならないそうです。でも、先生の患者の中には現在2人ほど飲むことを拒否している人がいるそうです。このホルモン剤も、これを飲んだから本当に効果があるのか断言はできないそうです。
で、私には橋本病(慢性甲状腺炎)があるそうで、今のところは問題ないとのことです。
その他、いつ頃できたものか、遺伝するのか質問しましたが、不明でした。遺伝については、家族性のある人もいるとのこと。

いろいろと聞きたいことをすべて質問したので、まあ、すっきりしました。
最後に先生に「傷口が目立たないようにしてくださいね」とお願いしておきました。
入院日記(6) 4月19日水曜日
  日曜日の外泊以来、子供たちに会っていない。さびしい、さびしい、さびしいよ〜。
もしかしたら今日の夜、旦那が連れてきてくれるかも知れないけど…。手術前に一度、会いたいなあ。

太ももの傷のおかげで、もうお風呂には入れないと思っていましたが、今はなんとまあ今は便利なものがあり、看護婦さんが傷口のばんそうこうの上から、防水のビニールテープのようなものを貼ってくれました。これで手術前のお風呂にゆっくり入れます!!ゴシゴシ磨いちゃおう!!

夜、麻酔科の先生より当日の麻酔についての説明を受けました。
「麻酔のしおり」のパンフレットは、9ページにもわたり、結構詳しく書いてありました。その後、血管の出やすさをみたり、口を大きく開けて中を見たり、首がしっかり後ろに傾くかどうか見てました。聴診器の診察もありました。で、あと2日間、くれぐれも風邪をひかないように言われました。
麻酔で手術中は眠っているとしても、手術室に入るまでが心臓にわるいな〜。
ああ、どうなることやら。前日の夜、寝てしまって、そのまま起きたら手術が終わってた…なんてことにはならないかしら。
入院日記(7) 4月20日木曜日
  今日は教授回診の日。教授の目の前で若い医師が隣のベッドのおばあちゃんに文句を言われていたので、若い医師は教授に「患者さんにこんなことを言われているようじゃ、駄目だ!!」と言われていた。

手術前の呼吸訓練を行った。深呼吸の練習、たんを出す練習、息を大きく吸い込み、肺を広げる練習(筒のなかに入ったピンポンだまを持ち上げる)をおこなった。でも、若い人(?)にはあまり必要ない練習らしい。

手術前のシャワーを浴びてすっきり。でもそのあと首周りの毛をそられてしまった。もっとはやくそってくれればよかったのに。首の周りに石鹸の液をいっぱいつけられてしまった。

夜7時、主人とおばあちゃんが子供たちを連れてきてくれた。
よかったー!!子供たちに会えて。でも、上の子はそのあとラーメンを食べに行くことで頭がいっぱいで、私との久しぶりの再会をたいして喜んでないようだ。下の子は少し私のことを忘れているみたいだ。
うーん。ちょっとさびしいな。でも、会えてよかった。

手術1日前も、あっというまに終わってしまいました。
いよいよ明日、手術です。朝8時に病室で筋肉注射、8時30分ごろ手術室に向かい、9時ごろから手術予定です。
これが手術前にメールを打つ最後になると思います。
大家のおやじさまをはじめ、このBBSのみなさま、今までたくさんの励ましのお言葉をいただき、本当にありがとうございました。
明日、がんばってがん細胞をやっつけてきます。
術後のメール、いつになるかわかりませんが、必ず入院日記を再開したいと思いますので、今後ともみなさまどうぞよろしくお願いします。
本当にありがとうございました。
あわせて、大家のおやじさま、このような場を提供していただき、本当に感謝申し上げます。ご旅行お気をつけて。
入院日記(8) 手術無事に終わりました!!
  皆様お久しぶりです。ともちゃおのママです。
21日の手術、無事に終了しました。皆様のご声援(と、担当してくださった先生方)のおかげです。ありがとうございました。
また入院日記を復活します。どうぞ読んでやってください(日数が経ってしまったので、かなり省略してありますが…)。
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4月21日金曜日
いよいよ手術日だ。8時に筋肉注射され、病室をでる。
手術室に入り、マスクをつけられたまでは覚えているが、その後記憶ナシ。

手術無事に終了。熱が少し出たらしいが、元気だったようだ。
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4月22日土曜日
トイレにも一人でいけるし、ご飯も食べれる。首が上がらず、食べにくいけど。
手術の内容は、術前の説明のとおり、甲状腺左半分切除とリンパ節かくせい。
手術して2日目だが、もう抜糸。抜かないとあとがかなり残るそうだ。でも傷口に垂直に小さいテープがびっしり貼ってあるから大丈夫。
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4月23日日曜日
HCUのなかでも症状の軽い患者が入る個室のようなところに移動。
なかなか快適。一日中ラジオを聞いて過ごす。
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4月24日月曜日
本日一般病棟へ移動する予定だったが、ベットの空きがなく、水曜日に延期。やっとドレーンを抜いてもらった。
夕方、執刀医の先生が来てくれたので、手術のことや今後のことをいろいろ質問しておいた。すごく丁寧に答えてくれて、わかりやすく、親切だった。この先生に手術してもらって本当によかったと思った。
しかし、先生は月・水・金は手術(週2〜3回)、火・木は外来担当、その他、大学の講義や医局の仕事や研究でかなりのハードスケジュールらしい。毎日午前さまだそうだ。過労死しないかしら…?
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4月25日火曜日
今日は助教授回診の日。
執刀医の先生は助教授から私の手術日を聞かれ、無言になってしまった。
先生、もう私の手術日を忘れてしまったの〜!?思わず自分で「金曜日です」と答えてしまった。
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4月26日水曜日
やっと一般病棟に戻る。結局同じ病室に戻ってうれしかった。
執刀医の先生の回診。「もういつでも退院できますよ」とのこと。
午後から左肩あたりがだるくなってきた。シップをもらったけど効かず。なかなか寝付けなかった。
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4月27日木曜日
今日は教授回診の日。教授いわく「首はね〜なにしてても絶対なおるから。大丈夫、大丈夫、動いて、動いて」。
なるべく動くようにしていたら、左肩のだるさもすこしなくなってきた。でも、テープで固定してあるから、なかなか首は動かしにくい。
担当医の先生に摘出した甲状腺のスライドをみせてもらった。赤貝の煮付け見たいだった(すごい表現!?)。
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4月28日金曜日
手術後、やっと自宅からパソコンを持ってきてもらい、入院日記復活!!
でも、首が伸ばせず、なかなか見難い。ぼちぼち頑張ろう。
今日で実習生の子の担当が終わった。術後はだるい足をさすってもらったり、髪の毛を洗ってもらったりと大変お世話になった。きっといい看護婦さんになるでしょう。
入院日記(9) 4月29日土曜日
  きのう、手術後はじめてシャワーを浴びたら、なんと風邪をひいてしまった。のどが痛くて、咳が出るし、鼻水もでる。
調子に乗ってパソコンもやりすぎたかな…。
すぐに先生に薬をだしてもらった。

消灯前、少し元気になったので、このBBSの過去のメッセージをみたら、なんと多くの皆様が私の手術前の最後の入院日記のあと、たくさんメッセージを書いて下さっていたことを発見!!

みなさま、本当にありがとうございいます。体調がいまひとつなのでなかなかお返事がかけませんが、また元気になったらよろしくお願いします!!
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4月30日日曜日
退院日が決定。連休明けです。単に祝日中は退院できないので…。
でも、外泊するつもりです。手術の傷跡は順調に直っているので。
もうガーゼ交換も消毒もなくなりました。お飾りのガーゼを首に当てています。退院したら、やっぱスカーフかしら…。みなさま、どうしてますか?
エピローグ 退院はしましたが…
入院日記(0) 大家のおやじさま、入院中励ましてくださった皆様、大変ご無沙汰してしまい、失礼しました。ともちゃおのママです。
5月8日に無事に退院しました。術後の経過はすこぶる良好で、傷口も思った以上にきれいになっています。現在はチラージンを一日2錠飲んでいます。次回の外来は5月末で、また術後の経過を見てもらいに行きます。

が…風邪があれからかなり悪化してしまいました。連休中外泊許可をいただいたのですが、そのときは風邪もだいぶ良くなっていたと思い、うちに帰ったのですが、やはり、家に帰るといろんなことが目に付いてしまって、バタバタしてしまうんですね〜。で、風邪をさらに悪化させてしまい、病院へ戻る羽目になってしまいました。熱はないのですが、咳きが出始めるととまらず、苦しい〜!!退院の時には先生に風邪薬をたくさんだしてもらいました。
結局5月に入ってからは、毎日風邪で寝込んでいる状態だったので、入院日記も書けず、申し訳ありません。でも、ホントに寝ているだけだったので、書く内容もないのですが…。
まあ、何はともあれ、手術は無事に終わりました!!これから病院とも薬ともこの手術の痕とも長い付き合いになりますが、頑張ります!!入院中はこのBBSや病院内でもたくさんのお友達も出来ました!!こんなに短期間に多くの人と知り合い、お話できたことも、ここ近年、まったくなかったことだと思います。病院で同室だった人たちとは、全員が退院したら、必ずお食事会をしようと約束しています。みんなばらばらの年代の人たちばかりですが。

とりあえず、早く風邪を治して、通常の生活に戻るよう、頑張ります。家族には大変な迷惑をかけてしまったので…。

大家のおやじ様、おかえりなさ〜い。また旅行の話、読ませていただきます。
これからもいろいろと相談にのってください。よろしくお願いします。
入院日記は終わりますが、これからもこのBBSに遊びに来ますので、皆さんよろしくお願いします。
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