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No.228 女・50歳

初めまして。バセドウを4年間治療して昨年正常値になったということで、1月、2月とメルカゾールを停止。3月には再発してしまいました。メルカゾール6錠を服用したので、諸症状は治まりましたが、眼球突出のためでしょうか、圧迫感があり、涙が出、不快です。私の場合は薬での治療は治らないというので、1週間後、アイソトープ治療をする事になっています。

その治療のため、ヨード制限を言われました。海草、歯医者のうがい薬、などは認識しているので、渡された資料も納得するのですが、他の病院のHPを開きましたら、更に「貝類、魚類全て」とありました。貝類…もとらない方がよいのでしょうか。

ちなみに5年前に発病したときに、「今後、海草類一切はとってはいけません。髪も染めてはいけません」と主治医から指示され、4年間とらずに気をつけていました。発病する前は、日本料理にはこぶだしではなくては、と更にだしをとった後のこぶを煮て、佃煮にし、今思うととりすぎるくらいとっていました。この事は、甲状腺発病に関係していたのでしょうか。
勿論家族も同じように食べていました。今後、このように極端に食べるのは気をつけようと思いますが。

ただ、もうひとつ気になるのは、HPを開いても私が主治医から言われたように、絶対に海草をとってはいけない、と書いてある資料にはお目にかかったのはあまりなかったように思います。

宜しくお願い致します。

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Oyaji's reply バセドウ病に対してのアイソトープ治療前のヨード制限は、日本人の場合は海草類やヨード含有のうがい薬(イソジンガーグル)、ヨード含有薬物(造影剤も含む)を控えるだけで、十分と考えます。何故かといいますと、日本の土壌には不思議なことにヨードが沢山含まれているのです。何故、日本の土壌中にヨードが多いのかは分かっていません。これは、単なる島国というだけではないようです。同じ島国でも、アフリカ東岸寄りのマダガスカル島にはヨード不足の人が多いのです。このことは土壌中にヨードが豊富に含まれていないことを意味します。

ですから、日本で作られる作物(米、野菜など全てのもの)には、基本的にはヨードが含まれています。本当の意味でのヨード制限は難しいのです。アメリカ人研究者が推奨するアイソトープ治療前のヨード制限(1日300マイクログラム未満)を満たすのは、日本人ではヨード制限をしている人の40%に過ぎないことは東京伊藤病院の百渓先生も指摘されています(先生との私信より)。

前置きが長くなりましたが、貝類、魚類は摂っても良いと考えます。含まれているヨードの量も微量ですし、バセドウ病の方はそれくらいのヨードではアイソトープの摂取率(取り込み)には影響はないと思います。すなわち、アイソトープ治療の効果には影響はありません。あなたが、今、通院されている病院のヨード制限で十分です。

ヨード摂取量の少ない国では、ヨードの摂りすぎが抗甲状腺剤の効果を弱めるというのは事実です。しかし、日本のように、世界でも有数のヨードを沢山摂っている国では、ヨード摂取量の多寡で抗甲状腺剤の効果に影響はないようです。以前、バセドウ病の人で、ヨード制限とヨードを普通に摂っている人を抗甲状腺剤の効果について比較しましたが、差はありませんでした。わたしのHPにもそのことは書いています。日本については、抗甲状腺剤によるバセドウ病治療中には、ヨード制限は必要ないというのが、私の考えです。

何かあれば、いつでもメールをどうぞ。Good luck!!

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