放射性ヨード治療(アイソトープ治療)はアイソトープという一種の放射能を使う治療です。
バセドウ病の人ではアイソトープのカプセルを飲むとその6〜7割が甲状腺に集まります。このことを利用して治療するわけです。分かりやすく言えば、アイソトープで小さく縮めて治そうというものです。
外から放射線をあてるわけではなく、痛くもかゆくもない治療です。 |
| 放射線を使いますが、俗に言われているように、がんや白血病になったり髪が抜けたりはしません。 |
| 今から60年ぐらい前にこの治療は始められました。最初はがんや白血病になるだろうと考えられていました。しかし、これまでの多くの研究でこの治療をしたことで甲状腺がんや白血病が増えたということはないと分かりました。いまでは一番安全な治療法としてアメリカでは9割の人がこの治療を受けています。 |
日本は広島、長崎へ原爆を落とされた経験から医者や患者もこの治療を避ける傾向にあります。しかし上にも述べたように、がんなどの心配のないことが分かってきて、日本でも今後は増えてくると思います。
さらに、平成10年6月から使用量に制限があるものの(13.5mCiまで)、外来で放射性ヨード治療ができるようになりましたので、これから放射性ヨード治療が増えてくることが予想されます。 |
| アイソトープ治療のために一時的にクスリを中止しますので、アイソトープ治療前後に動悸などバセドウ病の症状が出ることもあります。そのようなときにはベータ遮断薬などで治療すれば、良くなりますから心配ありません。そのうち、抗甲状腺薬やヨード剤を再開すれば甲状腺ホルモンが落ち着いてきて気分も良くなります。変わったことがあれば、主治医の先生に電話で質問されるといいと思います。 |
| アイソト−プ治療後3〜4ヶ月経った頃、筋肉がつることがあります。これはアイソト−プ治療が一番効く時期に当り、一時的に甲状腺ホルモンが低下するためです。ほとんどの場合は3〜6ヶ月経つと回復して来ます。この期間、甲状腺ホルモン剤(チラージンS)を服用することもあります。 |
| バセドウ病のアイソトープ治療<152例> |
わたしが野口病院勤務中にバセドウ病に対してアイソトープ治療を行った治療成績です。
計172例に対して治療しましたが、20例が経過を追えず、残り152例の治療成績を示します。 |
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潜在性甲状腺機能低下症とは、甲状腺機能低下症ですが甲状腺ホルモン剤を飲むほどでない軽いものです。
甲状腺機能低下症は、全員甲状腺ホルモン剤を服用されています。 |
| 10年以上のうち、3例が甲状腺機能亢進症で、まだ抗甲状腺薬を服用されていますが、このうち2例はアイソトープ治療の追加投与を拒否されている方です。 |
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| バセドウ病の外来アイソトープ治療・短期治療成績<438例> |
わたしが平成11年7月16日〜平成14年4月23日までにバセドウ病に対して外来でアイソトープ治療を行った治療成績です。
計511例に対して治療しましたが、73例が経過を追えず、残り438例の治療成績を示します。 |
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治療後12〜45ケ月経って、98%の人が治っています。“甲状腺機能亢進症”は、まだ抗甲状腺薬もしくはヨウ化カリウム(KI)を服用中です。この7人は全員、追加アイソトープ治療中です。そのうち、治ります。“潜在性甲状腺機能亢進症”とは、甲状腺ホルモン値は正常でTSHのみが抑制されたもので、治療の必要はありません。“潜在性甲状腺機能低下症”とは、甲状腺ホルモン剤を飲むほどでない軽いものです。“甲状腺機能低下症”は、全員甲状腺ホルモン剤を服用しています。最近は、約93%が1回の治療で治っています。投与量を少し多めにしたことが影響しているようです。1回で治る方がいいに決まっています。 |
| 治療回数 |
| 1回 |
2回 |
3回 |
4回 |
6回 |
| 278例(63.5%) |
134例(30.6%) |
21例(4.8%) |
4例(1.0%) |
1例 |
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