ヨードは、日本人が口にするものの中に大なり小なり含まれています(最後のベージの表)。特にたくさん含まれているものは海藻類で、なかでも昆布には群をぬいて大量に含まれています。
昆布の次に多いのはひじきです。わかめ、海苔はこれらと比べるとはるかに少量です。このほか日本でとれる肉、穀類、海でとれる魚にはわずかですがどれにも含まれています。なお、うがい薬のうちイソジンガーグルなどの主成分はヨードです。レントゲン検査に使われる造影剤にも、多量のヨードが使われています。 |
世界中には日本と違ってヨードの不足のために十分ホルモンが作られず、多くの住民が甲状腺機能低下症になっている地域がある国が少なくありません。 |
一方日本人は世界で一番多くヨードを摂取している国民です。昆布はからだに良いとされて、健康食品として推奨されていたり、「だし」として調味料に加えられていたりします。また、甲状腺と関係ない薬にも含まれていることがあります。このようにして日本では普段から知らず知らずに必要量以上のヨードをとっていますから、不足を心配する必要はまずありません。また甲状腺にはヨードをとり過ぎても甲状腺ホルモンを作りすぎないようにする仕組みがありますので、通常はヨードのことを気にかける必要はありません。 |
ただまれですが大量のヨードを含んだものを食べ続けたりした場合や造影剤のヨードで逆に甲状腺ホルモンが不足することがあります。しかし食品であれば中止することで間もなく回復しますし、造影剤の影響もやがてとれます。 |