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[01] |
[質 問] |
喫煙や飲酒は甲状腺癌の原因になりますか? |
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[回 答] |
喫煙や飲酒は甲状腺癌とは関係ありません。もちろんそのような習慣は健康のために避けた方がよいのですが、甲状腺の悪性疾患を引き起こしたり、悪化させたりするようなことはありません。 |
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[02] |
[質 問] |
甲状腺癌は全身に広がりますか?もしそうならどうやってわかるのですか? |
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[回 答] |
甲状腺癌が全身に広がることはめったにありません。ほとんどの甲状腺癌は最初の手術で治ります。甲状腺癌が頸部のリンパ節に広がることはありますが、そのようなリンパ節は取ってしまえばよく、それで治すことができます。頻度は少ないのですが、癌が肺や骨に広がることがあります。そのような場合はX線やスキャンによる画像診断で見つけることができます。また放射性ヨードやX線による治療が必要になり、時に外科的に取ってしまうことも必要になります。まれですが性質の悪いタイプの癌に対しては、化学療法やX線治療が勧められることがあります。 |
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[03] |
[質 問] |
そのような治療を全部したとしても、甲状腺癌で死ぬ可能性はありますか? |
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[回 答] |
皮膚癌以外では、すぐに治療した場合、他のあらゆるタイプの癌に比べ、いちばん多いタイプの甲状腺癌がもっとも長期成績がよいのです。ほとんどすべての患者が治療により完治します。 |
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[04] |
[質 問] |
どうやって甲状腺癌を見つけるのですか? |
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[回 答] |
甲状腺癌は患者が首のシコリに気付いて見つかることが多いのです。そのようなケースの半分は医師が別の癌とは無関係な病気の診察をしている時に見つかります。甲状腺癌では痛みがなく、症状もめったに出ません。実際に甲状腺癌患者はすべて代謝と甲状腺検査所見が正常です。 |
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[05] |
[質 問] |
治療の副作用にはどのようなものがありますか?
声が出なくなったり、大きな傷が残ったりすることがありますか? |
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[回 答] |
甲状腺癌の通常の治療は、小さな切開を入れて甲状腺の必要な部分だけ、あるいは全部を取ってしまうことになります。手術の後、患者の声に障害が出るとか、カルシウムバランスの乱れが起こるようなことはまれです。リンパ節を取る場合はもっと切開を大きくしなくてはならないことがあります。しかし、それは首の下の方に入れますし、見かけもそんなに悪くなりません。 |
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[06] |
[質 問] |
自分の甲状腺癌の治療結果を最良のものにするにはどうしたらいいのですか? |
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[回 答] |
大事なのは甲状腺や頸部のシコリを早いうちに正しく診断してもらうことです。まず家庭医に診てもらうべきで、その医師が状況を判断して、診断を確かめ、正しい治療を行なうため適切な専門医へ紹介することになるでしょう。しかし、他の多くの癌とは対照的に、早期発見と早期治療により必ずといってよいほど癌の根絶と完治がもたらされます。 |
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[07] |
[質 問] |
放射性ヨードの投与を受ける場合は甲状腺ホルモン錠を飲むのを止めなければなりませんか? |
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[回 答] |
その通りです。6週間止めなくてはなりません。TSHレベルが上がっている場合にだけ、放射性ヨードが甲状腺に「入り込み」、作用することができるのです。甲状腺ホルモン剤を止めるとそうなります。残念ながらその間、不活発な甲状腺の影響で、疲労や筋肉のつり、むくみ、便秘などの症状が出る可能性が高いのです。研究ではヒトTSHの注射の使用が試験されていますが、これは有望のようです。できればこの薬が利用できるようになって、甲状腺ホルモン剤を止めずに放射性ヨード治療ができるようになることを願っています。 |
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