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甲状腺は他の2つの器官が作り出すホルモンによる影響を受けています。 |
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これは頭蓋の底部にあり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を作ります。 |
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これは脳下垂体の上にある脳の小さな部分で、TSH放出ホルモン(TRH)
を作ります。 |
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血液中の甲状腺ホルモンレベルが低くなると、視床下部がそれを検知します。TRHが放出され、TSHを放出するよう脳下垂体を刺激します。次に、TSHが甲状腺を刺激してもっとたくさん甲状腺ホルモンを作るようにさせます。そうして血液中の甲状腺ホルモンレベルは正常に戻ります。
この3つの内分泌腺とそれが作り出すホルモンが「視床下部−脳下垂体−甲状腺の軸」を成しています。
世界のヨード欠乏がある地域での甲状腺腫のでき方が、この軸がどのように機能するかを示すよい例となります。通常では、TSHにより甲状腺のヨード取り込みが増し、甲状腺ホルモンの産生が増えます。食餌中にほとんどヨードがない場合、視床下部のTRHが脳下垂体から大量のTSHを放出させます。これでようやく甲状腺が食物や水の中にあるほとんどのヨードを取り込むことができるようになりますが、TSHにはもう一つの作用があります。−甲状腺細胞を増殖させるのです。
この高レベルのTSH分泌の影響を受けて、甲状腺は成長し、非常に大きくなります。したがって、ヨード欠乏地域に住む人のほとんどに甲状腺腫があります。これにより、その人達は体の正常な機能を保つだけの甲状腺ホルモンを作ることができるのです。甲状腺ホルモンレベルが元に戻った後も、TSH分泌量は高いレベルのところで安定します。
健康で、甲状腺腫のある人では、視床下部−脳下垂体−甲状腺の軸が甲状腺ホルモン産生量を非常に精密にコントロールされたレベルに保っており、甲状腺が甲状腺ホルモン産生量を増やしたり、減らしたりする必要がある状況に対応できるようになっています。 |